海は地球からの贈りもの

かつて、ノーベル物理学賞科学者のアインシュタインは言ったそうです。

「人は海のようなものである。あるときは穏やかで友好的。あるときはしけて、悪意に満ちている。ここで知っておかなければならないのは、人間もほとんどが水で構成されているということです」

私たちが当たり前に目にする豊かな海は、水の惑星である地球からの贈りものです。

驚くほど豊富な海洋生物と生態系を育むと同時に、その広大な規模ゆえに地球の健全な機能に欠かせません。例えば・・・

  • 二酸化炭素を吸収し、地球の気温を安定させてくれている
  • 私たちの吸う空気の半分を作ってくれている
  • 体長が20メートル以上もある世界最大の動物、シロナガスクジラから、微小のプランクトンまで何千種類もの多様な生き物のいのちを育んでいる(なんとシロナガスクジラの心臓は軽自動車と同じくらいの大きさ!)
  • 国境を超え、数億人の人々に食べ物を供給してくれている

そんな海にせまっている気候変動やプラスチック汚染、生態系を壊してしまうほどの乱獲・・・。どうやって守ることができるの?

海洋保護の未来図

英国オックスフォード大学、ヨーク大学の研究者が、海を守るためのあるプランを提案しました。世界の海の3分の1以上を海洋保護区とするという、シンプルかつ大胆な方法です。海洋保護区は、現在世界の海の1%しかありません。少なくとも3分の1の海が漁業や破壊的な開発ができない海洋保護区となれば、人間活動の直接的な影響から野生生物とその生息地を守ることできます。動物たちが回復できる十分な安息の海をつくることができるのです。

世界の海30%が守られたら・・・

すでに、海洋保護区となったことで豊かな海に戻った例もあります。

海洋保護区その1:米・モントレー湾(カリフォルニア州)

© Mike Baird

モントレー湾は、沿岸水域での釣りなどにより、野生動物の一部が絶滅の危機に瀕していました。しかし、1992年に国立海洋保護区が設立されて以来、海とその野生生物がおどろくほど回復しました。今では、水中にある豊かな海藻の森で、遊び心満載のアシカ、雄大なペリカン、そして愛くるしいラッコが暮らしています。 その養分に富んだ海水は、ザトウクジラから、巨大なシロナガスクジラまで、年中海の中を移動するクジラを引き付けるので、ホエールウォッチングのための世界的なホットスポットとなっています。周辺の環境に配慮したエコツーリズムと野生生物観察が、この特別な場所を守るための理由の1つとなりました。

海洋保護区その2:ロス海

アデリーペンギンのグループは、南極海の氷の上で暮らしています。

南極海の一部であるロス海には、シャチ、ペンギン、アザラシが暮らしています。 2017年、この地域はついに保護区となり、野生動物たちにとって安心して命をつなぐことができる場所となりました。

未来の教科書に載るかもしれない歴史的チャンスが、いま

どの国にも属さない海があるって知っていましたか? その海は「公海」と呼ばれ、「世界の海」として知られています。ここでは、誰もが自由に行き来でき、漁業も許されています。しかし、どの国も所有していないが故に、海洋資源や生態系の保護がおろそかになり、ウミガメやサメなど、この海で暮らす海洋生物が数十年で激減してしました*1

グリーンピースは、世界中のオフィスとともに世界の海を守るためのキャンペーン神秘に満ちた海を未来へをはじめました

国連では昨年から「世界の海」を守る条約の制定にむけて、環境影響や、世界各国でどのように管理・保全していくのかなど、海の生物多様性に関する議論をしています*2。2020年には、この会議の結論をだすことになっています。

だから、今年は、未来の教科書に載るような国際的な海洋保護条約をつくるこれまでにないチャンスです! 

海の恩恵に預かった豊かな私たちの暮らしと、多様な生態系を未来に残すために、世界中の人々の声を署名という形で議論に参加するリーダーに届けます世界の海を守れるかどうかは、私たち次第です

海の神秘を垣間見る大航海の旅

エスペランサ号:最大かつ最速のグリーンピースの船。 元ロシアの消防船であるこの船は、過去15年間、グリーンピースのための環境緊急事態に立ち向かってきました。

海の健全な機能がなければ、私たちは今ごろ地球上で暮らすことができませんでした。海の野生動物・生物たちがあらゆる脅威から守られ、私たちが安心して暮らせる未来のためには、保護区が必要なのです。

グリーンピースの船、エスペランサ号はこの保護区づくりのため、私たちの命の源である海の神秘と、迫りくる脅威の実態を目撃する旅にでます。北極から南極へと大西洋を縦断する約1年の冒険の旅です。

海底から吹き出す熱水で作られ、生命の起源の地とも言われる深海領域「ロストシティー」を探索したり、愛くるしいホッキョクグマウミガメペンギンの様子など、ありのままの大自然と神秘に満ちた海の美しさを船の旅から届けていきます。さらには、現場で科学的調査を実施し、プラスチックであふれかえる海や気候変動の影響をはじめ、生態系が壊れるほどの乱獲など、海に迫る脅威についても明らかにしていきます。

いま、冒険の旅が始まる

数千年前から生き続けるサンゴ礁、体長が約2メートルもある世界最大のカメ、海底4,000メートルから新たに発見される深海生物など、多様で豊かな命を育む海は、人々のロマンをくすぐり、未知の世界にあふれています。そんな海の神秘を垣間見ながら、世界の海を守る冒険の旅に、あなたも一緒に出かけませんか?

この旅で新たにわかった海の現実が世界のリーダーに届くためには、世界中で数百万人の参加が必要です。神秘に満ちた海を未来へ」、一緒に残してくれませんか?   

#ProtectTheOceans  #守りたい海

*1: 『30×30: 海洋保護の未来図』(2019年4月発行)

*2: https://www.bbc.co.uk/news/science-environment-45397674

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