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記事の投稿-トピック

トピックに関する投稿は、以下の一覧からご覧いただけます。

686件の投稿

  • いまがチャンス!世界の水産業をもっとサステナブルに変える

    こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。…

  • 海がプラスチックでいっぱいになる前に(後編)

     こんにちは。海洋生態系担当の小松原和恵です。今日は世界ウミガメの日。ウミガメたちの命が、私たちの生活にとっても身近なあるものによって奪われていること、ご存知でしたか?レジ袋、ストロー、ボトルキャップ…。毎日の生活のいたる所で使われる、プラスチックです。普段は見えない、海で起きている「プラスチック汚染」の現状に目を向けてみましょう。青い空、白い砂浜が広がる地上の楽園。これは、どこの島だかわかりますか?(島マニアの人にはわかるかも?)ハネムーンなどで日本人にも人気の、モルジブです。その海岸が……プラスチック製品で埋め尽くされています。埋立地から流れ出したり、ポイ捨てされたものが、流れ着いています。また、海の中で多くの命を育むサンゴ礁。サンゴにも、プラスチックごみが引っかかっているケースが見つかっています。波の力がプラスチックごみに加わり、サンゴが引っ張られときには折れてしまったりすることもあるそうです。ドイツのヘルゴラント島には、シロカツオドリの一大営巣地があります。巣をよく見ると、自然のものではなくて、海底をズズっと引っ張って漁をする、底引き網が岩などに引っかかって破損しないようにつけるプラスチック製のロープが混ざっていました。ちぎれたロープが海を漂い、巣作りの素材を探す海鳥は、枝などと勘違いし巣に持ち帰ってしまうのです。ロープに絡まって命を落とすシロカツオドリが多く確認されています。海の動物のなかでは、ウミガメ、アザラシ、アシカといった、好奇心が強く遊ぶのが大好きな動物たちが、プラスチックごみにからまってしまい、命を落としたり、ケガをするなどの影響を特に受けているといわれています。2050年に海の中は「プラスチック>魚」になる?このままのペースでプラスチックごみを排出していくと、2050年には重量に換算して、海には「魚よりもプラスチックごみの方が多くなる」という衝撃のレポートが昨年発表されました。[1]同レポートによると、プラスチックの世界総生産は過去50年で20倍に増加し、2014年の世界総生産は3億1,100万トン、海の中ではプラスチックと魚の割合が、1対5だったそうです。海に流れ出ていくプラスチックごみの約8割が、テイクアウト用のコーヒーカップのフタや、お弁当容器、レジ袋などの使い捨てのプラスチックという調査もあります。[2]プラスチックごみは水深何千メートルの海底からも見つかっていて、見つからない海域はないと言われています。プラスチックの生産拡大は、気候変動にも影響プラスチック製品は、波に揉まれてどんなに細かく砕かれても、自然には還りません。プラスチックの原料は石油です。石油資源の枯渇がさけばれて久しいですが、2014年は世界で消費される石油のうち、6%がプラスチックに消費されました。このままいけば、2050年にはその割合は20%になります[1]。炭素収支の割合も、2014年は1%ですが、2050年には最大15%にまでのぼるそうです[1]。つまり、プラスチック製品の拡大は、石油消費を増大させ、CO2排出量増加による気候変動への大きな影響が懸念されます。いま私たちが何もしなければ、これは現実になるかもしれないのです。海をまもるために日々のくらしでできること使い捨てプラスチックにNO!プラスチック製品の発生を防ぐことからはじめましょう。具体的には、・お買い物にはマイバッグ・お出かけやカフェにはマイボトル・使い捨てのプラスチックスプーンやフォーク、ストローは貰わない・過剰包装は断る・使い捨てのお弁当容器が発生しないようにお弁当を持っていく、レストランで食べる・ビニール袋の有料化や生物分解できる素材を使うことをスーパーやコンビニ、地域行政にお願いする一人ひとりの行動が変われば、それは問題解決にむけた大きな力になります。プラスチック汚染を止める>  海をまもりたい!facebookグループ「OCEANHOLIC」は、海にいなくても、24時間海を感じていたい!考えてたい!そんなOCEANHOLICな人々のための交流と発信の場所として国際環境NGOグリーンピース・ジャパンがつくったグループです。参考資料[1] “TheNewPlasticsEconomy-Catalysingaction”,WorldEconomicForum,2017 https://www.ellenmacarthurfoundation.org/publications/the-new-plastics-economy-rethinking-the-future-of-plastics…

  • カナダ北方の森をまもる16の(かわいい)理由

     カナダ北方の森には、美しい景色が広がり、壮大な野生動物が生息しています。しかし、巨大伐採企業のレゾリュート社は、森林をまもるために立ちあがった人々を脅し、声を押さえつけようとしています。グリーンピースがサステナブルな森林利用に切り替えるように働きかけると、レゾリュート社は、グリーンピース・アメリカ、グリーンピース・カナダ、グリーンピース・インターナショナルを総額3億ドルを要求する裁判を起こしました。 古くから森と共に生きてきた先住民のコミュニティ。気候変動を加速させ得る、森に蓄えられた膨大な炭素。そして希少な、絶滅の危機に瀕する生きものたち。この森を保護するには、無数の理由が挙げられます。このブログでは、カナダ北方の森をまもる数ある理由の中でも、特に知ってもらいたい16の動物たちをご紹介します。1.ウッドランドカリブーウッドランドカリブは、森林伐採による生息地の喪失や、道路の建設、鉱業などの産業の影響を受けて、絶滅のおそれに瀕しています。2.ノドアカハチドリルビー色のノドをもつハチドリは、毎秒50回以上羽ばたくことができます。こんな小さな体なのに、彼らは毎年中米からカナダの森林へ旅をしています。3.アカギツネ夜行性のハンター、アカギツネ。鋭い感覚を持ち、地下にいるときにも小さな哺乳類の鳴き声を聞くことができます。繁殖期には地下に巣をつくります。それ以外の時期には、密集した植生の中で暮らします。4.オオカバマダラオオカバマダラは毎時20キロから40キロの間で飛行することができます。暖かい空気の上昇気流を利用して空気中で飛び上がり、ゆっくりと滑り降ります。絶滅の危機に瀕しているこの種は、除草剤や人間の活動による悪影響を受けています。5.アメリカフクロウ40センチの大きさを持つこの鳥は、その特徴的な鳴き声で知られています。キツツキによって作られた穴など、木のくぼみや空洞の中で暮らします。6.アメリカンマツテンこのイタチ科の動物は、ほとんどの時間を地上で過ごしますが、木登りにも泳ぎにもたけています。冬には、雪、草木、昆虫、果物などの食べものを探して、雪のトンネルを掘ります。7.ハゲタカこの鳥はアメリカの象徴ですが、繁殖地の多くがカナダで発見されています。 8.ブラックベアブラックベアは人間よりも視力と聴力が優れています。彼らは、他のクマとのコミュニケーションの方法として、歯と爪で木をマークすることが知られています。 9.トウブシマリスシマリスの特技は木登りですが、地下に巣も掘ります。シマリスの英語名”Chipmunk”は、北アメリカの先住民族アニシナアベ族の言葉”ajidamoo”に由来しています。「真っ逆さまに木を降りるもの」という意味です。10.ウッドバイソンバイソンの仲間のウッドバイソンは、平野のバイソンよりも大きく、サスカチェワン西部の北方林に見られます。彼らの多くは、狩猟や生息地の喪失によって死亡してしまいましたが、現在は若干回復しています。1988年に「絶滅危惧種」から「絶滅の恐れのある種」に変わりました。ムースより重く、北米最大の陸上哺乳類です。11.カナダガチョウ大声で叫ぶこのガチョウは、植物を食べますが、時々小さな水中生物や甲殻類を食べます。彼らは、選んだパートナーと生涯と共にします。12.ピューマこのネコ科の大きな夜行性の動物は、鹿、アライグマ、ヤマアラシ、キツネ、ネズミ、その他の小さな哺乳類や鳥類をエサにします。彼らは葉や小枝の下にとらえた獲物を隠し、後でエサを与えるために戻って来ます。 13.キマユアメリカムシクイこの小さな鳥は、毛虫や昆虫などのエサを樹木の上で探します。ヒナが巣立つと、アメリカコガラ、ゴジュウカラ、キクイタダキの群れと一緒になって、北部の森林から中南米に移動します。しかし中南米の生息地も失われはじめています。 14.ビーバー川とダムを作る彼らは、人間に次ぐ第2の景観デザイナー。ダムはビーバーにとって理想的な生息地を作り出すだけでなく、生態系全体を支える湿地をも作り出しています。15.ヘラジカこの草食動物は、夏の間は草を食べ、森林地帯に移動して枝や樹皮、ドングリなどを食べます。このシカの仲間は、通常、オスとメスに分かれて10~20匹の群れで暮らしていますが、移動する春には、オス・メスの群れが一緒になって数千もの大きな群れになります。 16.グリズリーカナダのブリティッシュ・コロンビアで、2匹のグリズリーが遊んでいます。 北部の森とそこで暮らす生きものたちをまもるために、私たちの声はとても大切です。レゾリュート社が、カナダの北方林で破壊的な伐採を続けるのを、私たちの声で止めなければいけません。私たちは何十年もの間、森のために活動を続けたいと思っています。でも、そのために今あなたの声が必要です。多額のお金を要求する裁判を起こしたレゾリュート社に立ち向かうため、署名に参加してください。今すぐ署名する>  グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する こちらもおすすめ…

  • 自力で避難できない人が取り残される原発事故ーー高浜1&2, 美浜3廃炉裁判傍聴記

    これで動いている原発は4基になりましたが、東電福島原発事故直前には38基の原発が動いていました。…

  • 想像できますか?市民が声をあげられない世界を

    森林保護を訴える権利に、大企業がどのように圧力をかけているか…

  • 遠洋漁船が「大海の孤島」に…タイ水産業界で人権侵害・違法漁業が終わらない理由

    皆さま、おはようございます。海洋生態系担当の岡田です。長い人では9日間のお休みとなった今年のゴールデンウィーク。いかがお過ごしでしたか?金曜日ともなれば休みボケもすでに解消されているはずですが、、、長期休暇の後の5日間連続勤務はやはり疲れやすいもの。今日は、その疲れた頭も冴える少々ショッキングな内容を含むレポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』の紹介です。このレポートは、グリーンピース・東南アジアの調査チームが、タイの水産業界のサプライチェーンにおける、1年にも及ぶ独自の調査を基に書いたレポート『TurnTheTide』の日本語版です。漁船運営業者は洋上転載がお好き?冷蔵機能がついた大型の運搬船、いわゆるリーファーを利用し、海上での漁獲物の積み換えをすることを、洋上転載と言います。リーファーは、同時に漁船に食料などの物資の供給や労働者の補充なども行なっており、これにより漁船は一度も港に戻ることなく、何カ月も何年も操業を続けています。漁船を運営する会社にとっては、このように長い間、帰港せず操業を続けられるので、燃料や時間を大幅に節約でき、ひいては1隻あたりの漁獲効率も上がります。洋上転載で漁船は「大海の孤島」に!洋上転載により、漁船は監視の目のない広い洋上で長いあいだ孤立します。漁船の乗組員、特に人身売買され過重労働を強制されている漁師にとっては、この環境が何を意味するか誰の目にも明らかでしょう。どんな扱いを受けても逃げ出す事のできない地獄のような大海の中の孤島となってしまう可能性があるのです。漁師たちの衝撃的証言漁師A「ここから逃れるために海に飛び込んでも、サメに食べられるかもしれないと思うと恐ろしかった。実際6人のタイ人漁師が過重労働と虐待に耐えられず海に飛び込んだが、4人は捕まって体罰を与えられ、他の2人は嵐の海に姿が見えなくなった。」漁師B「消費者には、彼らが食べている魚介類は、我々の過重労働、虐待・苦しみによって得られたものだと伝えたい。魚を食べる時には、我々のことを思い出して欲しい。」脚気の集団発生グリーンピースの調査チームは、漁師の死亡事件を調査し、驚いたことに、死因は遠洋底引き網漁船で集団発生した脚気(かっけ)だったと突きとめました。脚気は21世紀の現代では容易に防ぐことができる病気です。ましてや、何億ドルをも稼ぎ出すマグロ漁船上で集団発生するような病気ではないはずなのです。しかし、不十分で偏った食事による栄養失調(ビタミンB1欠乏)・過重労働・洋上転載に起因する長期の連続勤務が原因で集団発生した脚気により、入院を余儀なくされた人たち、さらには死を伴う犠牲者も出ました。アオウミガメなどの海洋生物の脆弱な楽園が違法漁業の餌食にマダガスカル島北端から1,300kmほどの位置にあるサヤ・デ・マルハ・バンク。およそ4万km2の海域です。その10-20%がサンゴで覆われており、それ以外はすべて海草藻場です。この海域は、アオウミガメの餌場であり、シロナガスクジラやザトウクジラの主要な繁殖地でもあります。この脆弱かつ生態系の豊かな海域は実質、無規制海域で、環境や生態系に負荷の高い中層・底引き網漁を中心に操業が行われています。さらには、違法に獲られたサメを洋上転載し、タイの水産拠点に運送していました。人権問題・IUU漁業に由来するお魚を私たちが食べる可能性レポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』では、人権問題やIUU漁業などの違法行為を通して獲られた魚が、「すり身」の原料として使用されています。こうして作られた「すり身」の多くは、日本に輸出され、カニカマなどの練り物やペットフードなどに使用されています。つまり、洋上転載を行なっている限り、人権問題やIUU漁業に由来する魚を口にする可能性をゼロにすることは不可能に近いのです。スーパーに声を届けよう!!レポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』(リンクはこちら)では、タイ遠洋漁業界にはびこる深刻な人権問題、違法(illegal)・無報告(unreported)・無規制(unregulated)漁業、いわゆるIUU漁業は、洋上転載により助長されていることを明らかにしています。長期にわたり人権侵害を受けている漁師さん達、不必要にダメージを被っている海洋生物やその生息域を守るためにも、“洋上転載に由来する海産物を売らないでほしい”と思った皆さん。消費者がその声を伝えることにより、ペットフードメーカーのネスレやマースは洋上転載を取り締まることを発表しました(リンクはこちら)。私たち一人ひとりの力が企業を、社会を変えるのです。皆さんもお近くのスーパーに声を届けましょう。スーパーに声を届けよう>グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する おすすめの読み物『日本もはじめました!チリの海をサーモン養殖の影響から守る署名』『食卓のサーモンが、イルカやクジラの海を汚す』