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報道関係者の皆様への投稿-原発

原発に関する投稿は、以下の一覧からご覧いただけます。

551件の投稿

  • パブコメだそう!美浜3号とめるため。グリーンピースも出しました。

     こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。(パブコメの提出方法はブログの下部にあります!) 8月3日、原子力規制委員会は、関西電力美浜原発3号機の新規制基準の適合審査書案を了承し、8月4日からパブリックコメントを開始しました。<8月25日追記>グリーンピースも出しました。記事の末尾を御覧ください。適合審査書案の了承は再稼働のための「事実上の合格証」とされています。けれど、わたしは、原子力規制委員会は「規制者として不合格」と言いたいです。なぜならば、安全を再優先しての審査になっていないからです。自ら認める「能力不足」田中俊一原子力規制委員長は、7月20日の記者会見で「5人だけの委員ですから、それで全ての分野を全部、そういう細かいところまでカバーするというのは、はっきり申し上げて、ああいう細かい話になると、十分に理解するというわけにはいかないというところはありますので、そういうことを申されるのであれば、能力不足だったということです」と言っています。くわしくはこちらこれは、関西電力大飯原発の地震の最大の揺れの想定が過小評価されているという島崎前原子力規制委員長代理の指摘を巡る対応について、語ったものです。能力不足であれば、外部から能力を補うなりして十分に理解して、そして審査をすすめるべきではないでしょうか。「ああいう細かい話」といいますが、最大の揺れの想定は、それがいいかげんであれば、動かすべきでない原発を動かしたり、対策が不十分のまま再稼働して過酷事故につながる可能性だってあるのです。ここで、島崎前原子力規制委員長代理の指摘をかいつまんでご説明したいと思います!「最大の揺れ、過小評価」 (イラスト・高木章次さん)地震の揺れの想定にはいくつかの計算方法があるのですが、大飯原発で採用されている「入倉・三宅式」を使うと過小評価となるというもの。そのため、島崎さんは、「武村式」で再計算してほしいと原子力規制委員会に伝えました。これを受けて、原子力規制庁が再計算をしました。そうしたら、なんと関西電力の計算した値よりも、小さくなってしまいました。(下図の左から2本目のグラフ参照) (この図は、FoEの満田さんの図をもとに作成しました) 関西電力の値関電が、入倉・三宅式を使って計算した最大の揺れが、596ガルでした(ガルは、揺れの大きさを加速度で示したもの)。それに、地震パターンが違うともうちょっと大きくなるかもしれない…ということなども考える「不確かさの考慮」も入れて、856ガルを最大の揺れと想定しています。(図の一番左のグラフ)この揺れまでなら、原発は耐えられる、という値です。規制庁の値今回、島崎さんの警告を受けて、規制庁は武村式を使って再計算しました。(図の左から二番目のグラフ)武村式を使っても644ガル。計算方法は違うけれど関電が最大の揺れとして想定した856ガルを下回るので、問題なし、と結論づけました。また、規制庁は、今回、入倉・三宅式を使っての計算もしたのですが、関電の値より小さくなりました。(図の左から三番目のグラフ)関電の値を元にした武村式での推定値この計算結果を見た島崎さんは、規制庁の入倉・三宅式の値と武村式の値が1.8倍であることを指摘しました。そして、関電の入倉・三宅式の値を1.8倍すると、1080ガルとなって、関電の想定を上回る、と警告しました。これに不確かさの考慮も入れると、もっと大きくなります(図の一番右のグラフ)。しかし、これらを指摘されても、原子力規制委員会は、「入倉・三宅式を使わないことにする根拠はない」として、最大の揺れの想定を見直す必要なしと結論を出してしまいました。 関電の計算の詳細がわからない?規制庁なぜ、規制庁の入倉・三宅式の計算結果が、関電が算出した596ガルより大幅に下回ったのか。規制庁は関電の設定の詳細がわからなかったと言っています。しかし、それでは、わからないものを承認したことになります。それでもやり直さない規制委員会そして、原子力規制委員会は、「能力不足」で、「もともとムリなことをやらせた」と認めながら、正しく再計算することもせずに、「見直す必要なし」と結論を出してしまいました。規制者としてあるまじきことです。原子力規制庁がムリであれば、外部の専門家に依頼して再計算してもらうこともできるはずです。 美浜原発3号機も過小評価この問題は、大飯原発だけの問題ではありません。たとえば、美浜原発の場合、武村式を使って計算し直すと、現在の想定の約2倍の大きさになります。つまり、原発はその揺れに耐えることができません。それなのに、8月3日、原子力規制委員会は、この問題を検討することもなく、美浜原発3号機は新規制基準に適合する、としてしまいました。美浜原発3号機は、今年の12月で運転期間40年となる老朽原発。やはり老朽原発だった東京電力福島原発の事故の反省から、「原発は40年で廃炉」という原則が法律になったのに、関西電力は”原子力規制委員会が認めれば、1回に限り、20年の運転延長ができる”という例外規定を使って、延長運転を申請しています。美浜原発3号機は、法律により、今年の11月の期限までに延長が認可されなければ廃炉になることが決まっています。新規制基準への適合は、延長認可の前提です。延長認可の期限まで、あと、3カ月と少し。だから、少しでも時間のかかる今回のような「見直し」は避けたかった、というのが真相ではないでしょうか。 原発は危険ですが、老朽化するともっと危険です。そもそも設計が古い(1970年代の設計)金属やコンクリートが劣化して壊れやすくなる検査できるのは一部分(人間が入れないところ、見れないところあり)そんなわけもあり、世界で閉鎖した原発の平均寿命は24.7年です(くわしくはこちらのブログで)。パブコメだそう…

  • Japan’s nuclear regulator admits it is unable to do its job, approves Mihama 3 safety anyway

    Japan’s nuclear regulator admi……

  • 「能力不足」の原子力規制委に再稼働審査の資格なしーー美浜3号機の再稼働適合審査書案承認

    国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日、原子力規制委員会が「関西電力美浜3号機(福井県)は新規制基準に…

  • Radiation along Fukushima rivers up to 200 times higher than Pacific Ocean seabed – Greenpeace

    Radiation along Fukushima rive……

  • 放射線調査結果:福島の川岸の汚染、琵琶湖の最大2千倍―― 福島から関西への教訓、『水に沈む放射能』レポート発表

    国際環境 NGO グリーンピース・ジャパンは本日、宮城県の阿武隈川河口および福島県の沿岸と複数の河川の流域で2…

  • 1607人の応援を心に!高浜裁判傍聴記

     こんにちは!エネルギーチームの鈴木かずえです。「関西電力の高浜原発1、2号機(福井県)古すぎです。廃炉にしてください」と求める裁判を、グリーンピース・ジャパのシニア・グローバル・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチとともに傍聴してきました。ケンドラも私も、裁判の原告になっています。初めての口頭弁論であるこの日のために、約3週間にわたって全国からの応援の”顔”を集めてきました。集まった応援の”顔”は、1607。この裁判の原告は76名ですが、これだけの人が応援してくれているのだと思うと、本当に勇気付けられます。参加してくださった皆さん、本当にありがとうございます。全国からの応援の気持ちとともに、入廷法廷に入るのは、すごく久しぶりでドキドキしました。写真撮影や携帯電話の使用もできません。なので、法廷の中に、全国からの応援を詰め込んだバナーを持って入りたかったけれど、もちろん、NG。でも、みなさんからの気持ちはしっかり持って、入廷しました〜♪厳かな法廷法廷の壇上には3人の裁判官。その向かい両側の向かって左に原告側の弁護士、右側に被告(国)側の弁護士が座ります。中央に机とマイクがあります。(絵を描いてみました)国側の机の席に座っていたのは、中年男性一人と、若い男性二人。その後ろに女性を含む3〜4人が座っていました。原告側は、北村弁護団長、藤川弁護団事務局長ほか、後ろの席にも弁護士、原告が20人以上ぎゅうぎゅうになって座わりました。傍聴席にもギッシリ原告、そして報道関係者が座っています。傍聴席は80席くらいだったのでしょうか。席が限られていたため、傍聴は抽選となり、はずれた方もたくさんいました。立法も行政も原子力ムラに飲み込まれている今、原発を止めるのは司法しかない最初に、北村弁護団長が、この裁判を始めるにあたっての思いを訴えました。行政も、立法も、原発を止めない以上、止めるのは、司法しかないと語りかけました。続いて、弁護団の弁護士が東京電力福島原発事故以降にできた新規制基準の不備、想定する地震の揺れが過小評価されていること、老朽化の問題など訴えのポイントを説明していきます。とくに私たちが問題視しているのが老朽化の問題。40年ルール老朽原発でもあった東京電力福島原発の事故を受けて作られた「運転期間40年を超えた原発は廃炉」という40年ルール。40年ルールは厳格に適用されるべきであり、すでに40年が経過している高浜原発1、2号機が、果たして本当に十分な安全性を備えているのか、災害の防止上支障がないといえるのか、厳格に審議してもらいたいのです。ケーブル問題また、新規制基準では、原発の電気ケーブルは難燃性ケーブルにすることを求めています。ところが、高浜原発1、2号機について、原子力規制委員会は、難燃性ケーブルへの交換ではなく、「防火シート」などによる対策を認めたのです。これは、実験での検証も行なわれておらず、違法であると言わざるをえません。最後に、4人の原告が、この裁判を起こした思いを裁判官に伝えました。(原告の意見陳述より抜粋)阪上さん:規制は電力会社のいいなりやめて、事故収束を再優先に「1995年から「福島老朽原発を考える会」を結成し、東京電力福島原発事故以降は「原子力規制を監視する市民の会」を作って原発の危険性を訴え、規制行政の監視活動を続けてきました。危険性を訴えてきながら、事故を許してしまい、非常に残念であり、悔しい思いです。原子力規制委員会を傍聴する中で、規制が電力会社の言いなりになっていることを目のあたりにしてきました。福島原発事故は収束していません。それどころが、溶融炉心の処理、汚染水対策、汚染廃棄物の取り扱い、被害者への賠償と生活支援等々、どれをとっても問題は山積で、ある意味で、事故は拡大の過程にあるともいえます。収束作業にこそ時間と人材を割いて、犠牲者が増えることを防いで欲しいと強く思います。それらも済まないままで再稼働をするというのは、余りにも反省を欠く行為だと思います。」  小野さん:福島から岐阜に避難、同じ被害を出さないで「福島県にいたときは、実家で作ったお米や野菜、近所からもらう山菜で日々食事をしており、スーパーで買うのはお肉などごく限られたものだけ、お水も庭先の井戸水でした。その幸せな暮らしが東京電力福島原発事故で一変しました。避難先で娘はいじめにあい、故郷の親戚とも軋轢が生まれ、ストレスで前歯が一度に5〜6本抜け落ちました。同じ被害を二度と出さぬよう、老朽原発の廃炉を裁判所から命令を出してもらうことを心から願います。」 東山さん:声出せぬ原発依存の地元、廃炉で明日が開ける「私は、高浜原発から4キロのところに住んでいます。50年前、関西電力が高浜に原発をつくるという話がでたとき、原発の寿命は20年、長くて30年と言い、事故は起きないと宣伝しました。その宣伝に対し不安や疑問だと声を出した人の家に大勢の人が押し掛け怒号をあげ吊るし上げをする、商売をしている人はあらぬ噂を広げられ倒産寸前にまで追いやられる。その様な状況の中、建設が始まったのです。そして町は、原発に頼らなければ暮らしていけない町へと変えられてしまいました。今、老朽原発の高浜1、2号を廃炉することで明日の見通しが立つ時だと確信しています。」草地さん:原発130キロの風下の名古屋で知った守るべき日常の大切さ「私は、原発から130キロ、偏西風の風下の名古屋に住む、娘と息子を持つ母親です。東京電力福島原発事故で、守るべき日常の大切さを思い知り、目が覚めました。たった一度の事故で、誰もが望む当たり前の幸せを奪うことは、到底許されることではありません。原発を稼働させないでほしい、廃炉にしてほしいというのは、主義や理念ではありません。私たちの心の底からの切実な願いです。」 なお、今回、提訴時には、運転期間延長が認可されていなかったので、認可禁止を求めましたが、現在では、すでに認可されていることから、訴えを「認可取り消し」に変更します。国からの反論は、その変更がなされた後から始まります。「応援!フェイスプロジェクト」、大歓迎を受ける第1回口頭弁論の後の報告会で、グリーンピースが呼びかけ、1607人からの応援をいただいた「応援!フェイスプロジェクト」をあらためてご紹介し、たくさんの拍手をいただきました。原告に加わっているグリーンピース・ジャパンのケンドラも「アメリカでも、草の根市民と優秀な弁護士がタッグを組んで原発をとめた。日本でもきっと止めることができます!」と挨拶しました。ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。原告は76人だけれど、横断幕つくりを呼びかけたことで、たくさんの人にこの裁判を知っていただくことができました。 次回は10月、引き続き応援を次回の口頭弁論は、10月26日となりました。今後とも、どうぞ、この訴訟にご注目、ご支援ください。この裁判を支える会が発足しています。支える会では、会員も募集しています。全国どこからでも応募できます→こちらからグリーンピース・ジャパンでは、老朽原発を止めるために裁判がとても有効と考え、原告となってこの裁判に協力しています。…