©Kasey Weilnböck / Greenpeace

11月15日、東京・GyoenRosso198にて、Queens for a Cause(QFAC)とグリーンピースの初となるコラボレーションイベント「モッタイナイ」スペシャルショーが開催されました。

本イベントはより皆さんの理解が深まる「ボーダーレス(borderless)」な雰囲気を保つため、参加者を100名に限定。サステナビリティとクリエイティビティ、そしてクィアカルチャーが交差する特別な夜となりました。

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グリーンピースは、Justice(正義)、Equity(公平性)、Diversity(多様性)、Inclusion(包括性)、Safety(安全性)の5つの要素を掲げた「JEDISの原則」を大切にしています。今回のイベントは、東京のローカルLGBTQIA+コミュニティをエンパワーするとともに、気候正義とクィア正義の深い繋がりを知っていただく貴重な機会となりました。

テーマ「モッタイナイ」に込められた環境保護への想い

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今回のテーマは、日本語の「もったいない」に込められた「無駄にしない」という精神です。出演したクイーンたちは、アップサイクル素材を取り入れた衣装や創造的な表現を通して、環境問題やリデュース&リユース(削減と再利用)の大切さを、ユニークかつ魅力的に伝えてくれました。

観客の皆さまもショーを楽しみながら、日々の暮らしで環境負荷を減らすアイデアに触れていただくことができました。

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今回のパフォーマンスの一覧

・Clitoria :フラワー・パワー 女性性における自然の表現
・Julia Your Makeup is Terrible :地球規模の危機 牛肉消費と気候への影響
・Meringue :オー、ハニー! 農業における花粉媒介者の重要性 イチジクとスズメバチ
・Finn:ラジオ体操デモ
・Inka:プラスチックが美しさを殺すとき
・Velvet Glittur :北極の凍結 氷冠の融解と水位上昇 (「レット・イット・ゴー/ウィ・ウィル・バーン」のカバー)
・Andromeda :漂白されたハウナニ・ケイ・トラスク ポリネシアにおける植民地主義への言及 地球とハワイへ帰還せよ
・Japam :スカイフォール プライベートジェットによる空中移動と大気汚染 テイラー・スウィフトのパロディ
・Stefani St. Sl*t :秋とイブ 森林伐採は木を殺す
・Gyoza :秋とイブ 葉と樹木
・Kinako :虹の下で異常気象現象 ハリケーン・ヴォーグ
・Kosmic Sans:結局人間だ

ドラァグパフォーマー「Queens for a Cause」とは?

「Queens for a Cause」は、社会問題の啓発と、さまざまな正義に関する対話に取り組むドラァグパフォーマーのグループです。パフォーマンス後は、指定の環境保護団体へ寄付を行っており、今回のチケット売上はすべてグリーンピースへのご寄付としてご支援いただきました。

より大きく、より華やかに。そして、よりエコに。

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今回のパフォーマンスを行った「Queens for a Cause」のドラァグクイーンVelvet GlitturさんとAndromedaさんにイベントのコメントをいただきました。

Velvet Glitturさん「今回、グリーンピースとイベントをご一緒できたことで、環境問題に向き合うイベントをつくっていくモチベーションが大きく高まりました。来場者の皆さまとお話しするなかでも、グリーンピースのSNSなどを通じて本イベントを知ってくださった方が多く、私たちだけでは届けきれなかった層へもメッセージが広がっていることを実感しました」

Andromedaさん「ドラァグクイーンの表現力を活かし、環境問題への関心を広げるだけでなく、実際の行動につながるきっかけをつくれたのではないかと感じています。今後もこのような取り組みを増やし、より多くの方に環境危機の切迫性を伝えていきたいと考えています」

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Andromedaさん「ドラァグという表現は、もともと強い政治性と社会に働きかける力を持っていると考えています。私たちはこれまで、その力を社会問題に向き合うために使ってきました。今回、環境問題に取り組むグリーンピースと連帯し、自分たちの表現や芸術を通じて、その想いを伝えられたことを大変意義深く感じています」

Velvetさん「ドラァグクイーンの持つ表現力を活かし、自分たちが大切だと思うこと、伝えるべきだと感じていることをステージで表現したいと考えました。通常の方法では届きにくいメッセージであっても、ドラァグというアートを通じて、人々の心に直接届けることができると信じています」

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環境へのアクションを「楽しく」伝える

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今回のイベントは、LGBTQIA+コミュニティやアーティストの皆さんと一緒に、環境へのアクションを楽しく伝える素敵な夜となりました。

ドラァグという美しい表現の力によって、環境問題が遠い世界の課題ではなく「いま、この社会で生きる私たちすべてに関わる問題」だということを、参加者の皆さまに深く実感していただけたと感じています。

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私たちの「アクション」は、決して大きなものである必要はありません。日常の選択や他者と語り合う場に、小さな変化を積み重ねることが、社会全体の大きな変化につながっていきます。

グリーンピースはこれからも、科学に基づく調査や政策提言に加え、今回のように多様なコミュニティと力を合わせながら、活動をより広く、より参加しやすいものへと広げていきます。私たちの目指す未来は、一部の人ではなく、すべての人が安心して生きられる、公平で持続可能な社会です。

その未来を実現するためには、皆さま一人ひとりの力が欠かせません。

今日感じた思いや、小さな気づきこそが次のステップにつながります。ぜひ、あなたの身の回りでできるアクションから始めてみてください。そして、これからのグリーンピースの活動にも、ぜひ参加していただければ幸いです。