地球温暖化を抑えるには? 寄付は最強のアクション!【気候アクションガイド #00】
気候変動や環境問題のために「何かしたい」と考える人のためのアクションガイドです。今回は番外編として有効なアクションの一つである「寄付」についてお届けします。
記録的な暑さや豪雨による洪水。温暖化が進むにつれて、極端な気象が増え、その影響は私たちの暮らしや社会にも広がっています。
国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と表現したように、気候変動が深刻化しています。そんな中で、自分でも何か行動したいけれど、何から始めればいいのか思い悩んでいませんか?
このアクションガイドは、気候変動や環境問題のために「何かしたい」と考える人のためのシリーズです。テーマごとに情報をわかりやすくまとめています。今回は番外編として有効なアクションの一つである「寄付」についてお届けします。
気候変動は仕組みを変えなければ止められない
いま起きている気候危機を抑えるには、地球全体の温室効果ガスの排出を実質ゼロにする必要があります。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、私たちの暮らし方(需要側)の変化によって、2050年までに最終消費部門の温室効果ガス排出を、対策をとらない場合と比べて40〜70パーセント削減できると試算しています(第6次評価報告書)。
こう聞くと、個人の行動だけで大きく排出削減できるように感じるかもしれません。しかし、「需要側の対策」には、インフラの使い方や省エネ技術の導入、生活様式の見直しなど、社会全体の変容が前提です。
つまり第一に必要なのは社会の仕組みの変化なのです。

個人でも排出削減できる余地はたしかにあります。ただ、たとえば節電の選択を「当たり前」にする制度によって削減効果を社会全体にひろげなければ、個人の努力は個人の範囲にとどまりやすいという問題点があります。
求められているのは、公共交通の整備や建物の断熱基準、再生可能エネルギーへの切り替えといった、個人の選択を促進したり、より簡単にする政策や仕組みの整備です。
寄付が強い効果を持つワケ
寄付が気候変動をくい止めるアクションとして強い効果を持つのは、「温室効果ガスの排出を減らす方向にお金の流れを変える」からです。

温室効果ガスの排出量を大幅に削減するには、前述の通り、たとえば政府の再エネ導入目標や企業の脱炭素方針などを野心的な方向へと動かす必要があります。
しかし、気候変動は「燃やす方が儲かり、燃やさない方が高くつく」という過剰な資本主義の構造の下で加速してきました。市場に任せておけば、お金は温室効果ガス排出の大きい側へ流れ続けます。
寄付はその流れに逆らう数少ない資金です。金銭的な利益ではなく、社会的な利益を生む活動に市場の外側からお金を回す仕組みだからです。
寄付の効果は過小評価されている?
しかし、気候変動対策部門への寄付は、その危機の規模や深刻さと照らし合わせてもまだまだ少ないのが現状です。米国のクライメートワークス財団の推計では、2024年に世界で気候変動の緩和に向けられた慈善資金は117億〜184億ドルでした。
これは世界の慈善資金全体の約2.1パーセントにあたり、初めて水準が2パーセントを超えました。大きく伸びてはいますが、依然として低い水準です。しかし、逆にいうと、気候変動対策への寄付は、一人ひとりの持つインパクトがより大きいということを意味してもいます。
日本での寄付の位置付け
特に日本はかねてから他国に比べ寄付文化が十分に定着していないことが指摘されてきました。
日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2025」によると、2024年の日本の個人寄付総額は推計2兆261億円で過去最高となりました。1年の間に寄付をした人の割合は44.5パーセントで、調査が始まった2009年から10.5ポイントも上昇しました。
しかし、それでもアメリカ、イギリス、韓国と比較した個人の寄付総額と名目GDPに占める割合をみても、日本の割合が低いことがわかります。

日本でどんな点が寄付のハードルになっているのかに目を向けてみると、「寄付したお金がきちんと使われているのか不安に感じる」と答えた人は74.1パーセントに上り、透明性が問題点としてあげられそうです。寄付先を選ぶ際に重視することの1位にも「寄付金の使い道が明確で、有効に使ってもらえそうなこと(37.7%)」があがりました。
多くの人が寄付の意義を認めながらも、「どこに、どう寄付すればいいのか」に頭を悩ませていることがうかがえます。
寄付先を選ぶポイント
信頼できる寄付先をどのように選べばいいのでしょうか。寄付先を検討するときに確認したいポイントを3つ紹介します。

① お金の使い道が公開されているか
集めたお金を何に使ったのか、きちんと公開している団体を選びましょう。多くの団体は「年次報告書」というかたちで、1年間の収入と支出の内訳を発表しています。どのような活動にいくら使用しているのか、数字を公開していること自体が、「お金を預けてくれた人にきちんと説明する」という姿勢のあらわれです。
▶︎グリーンピースの会計報告|2025年次報告
② どこからお金をもらっているか
団体の活動資金がどこから来ているかも大事なポイントです。たとえば政府や企業からお金をもらっている団体は、政府や企業に厳しい意見を言いにくくなることがあります。一方、個人からの寄付で活動している団体は、その心配が少ないぶん「あなたのお金をこう使いました」と支援者に説明し続ける責任を負っています。団体がやろうとしていることと、お金の出どころがちぐはぐになっていないかを見てみましょう。
▶︎グリーンピースは個人からの寄付のみを資金源とすることで、独立性を保ち、対等な立場の第三者として政府や企業への働きかけを続けています
③ 寄付の頻度と金額
政治や社会の仕組みを変える活動は、結果が出るまでに時間がかかります。だからこそ、毎月決まった額を送る「継続寄付」が、強く団体を支えます。その上で、大切なのは無理なく続けられること。少額でも続けて寄付を行うことで、団体の活動の基盤を強くすることができるのです。
▶︎グリーンピースは500円からの継続寄付を受け付けています
気候アクションとして寄付をしてみる
どんな風に寄付先を選べばいいかをチェックしたら、次はいよいよ実際に寄付アクションをしてみましょう。次の3ステップで、簡単に行うことができます。

①寄付先を選ぶ
気候変動について、政府や企業の野心的な決定を後押しするために、調査や提言、市民の声の可視化、メディアへの働きかけを行っている環境団体を探しましょう。もちろんグリーンピースもそうした環境団体の一つです。
②公式ホームページから寄付フォームへ
選んだ環境団体のホームページをチェック。寄付フォームへの入り口が見つかります。
③それぞれの金額で寄付アクション!
寄付の金額はいまの自分にできる範囲でOK! 最低額は団体によって違いますが、たとえばグリーンピースでは500円から参加することができます(クレジットカード使用可能)。
寄付は最強のアクション!
一人ずつのアクションが、そのまま個別に終わってしまった場合、すでに地球規模となって加速を続ける気候変動に変化をもたらすことはできません。
気候変動を止めるためには温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があり、それには政府の削減目標や企業の脱炭素方針などをより野心的な方向へと動かす必要があります。そのためにグリーンピースなどの環境団体は、決定を後押しする調査や提言、市民の声の可視化、メディアへの働きかけを行っています。
寄付はこうした活動の規模を大きくしたり、参加する人を増やしたりすることで、政策決定者やリーダーたちに「本気の気候変動対策」を求める声の大きさを知らしめます。
「寄付をする」ことがみんなのアクションをつなぎ、大きな力にまとめ、効果的に政策決定者に届けることを助けています。