アゼルバイジャン・バクーで開催されている国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)は1週目の交渉を終え、焦点である発展途上国の気候変動対策を支援するための資金目標の合意に向け、いよいよ各国の間で詰めの協議が本格化します。地政学的な緊張の中、最初の週での交渉は遅々として進んでおらず、気候変動資金に関する行き詰まりを打破しなければなりません。2週目の交渉についてのグリーンピースのコメントは以下の通りです。

グリーンピースCOP29代表団、ジャスパー・インヴェンター代表

 「地政学的な逆風が交渉を難しくしていますが、真の障害は政治的意思の欠如です。スペインで繰り返される洪水、フィリピンを襲う複数の台風、南北アメリカ大陸で繰り返されるハリケーンは緊急の警鐘です。気候危機は政治的妥協を待ってはくれず、先進国は、気候変動対策のための資金提供に真剣に取り組むべきであり、今こそ一歩を踏み出さなければなりません。

各国は、野心的な気候変動対策に資金を提供し、危機の最前線にいる人々に必要な公的資金支援を提供する大胆な提案に合意しなければなりません。気候変動資金は、汚染者が脆弱な地域社会や生態系に与えた損害の代償を払うメカニズムによって支えられるべきです。2週目の交渉は、希望、決定的な行動、世界中の人々が求めている野心的な成果をもたらさなければならないのです」

グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当、小池宏隆

「気候変動交渉において、国際協調への信頼を回復し、パリ協定の1.5度目標に整合する温室効果ガスの削減を世界全体で実現するためにも、日本を含むG6の役割は非常に重要ですが、これまで各国の目立ったリーダーシップはみられず、特に資金においては日本が交渉停滞を招く部分もありました。COP29の交渉2週目に、浅尾慶一郎環境大臣は、日本政府の気候変動対策について声明を発表する予定ですが、その中で、公的気候資金の増額、化石燃料補助金の再エネ投資への振り向け、1.5度目標と整合する目標として2035年までに2013年比で81%の温室効果ガス削減を約束するべきです」


以上