アゼルバイジャン・バクーで国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)の交渉が続く中、ブラジル・リオデジャネイロで11月18日に開幕した主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、首脳宣言が公表されました。(注1)宣言では、COPでの気候変動資金の合意を支持する一方、その具体的内容や各国間の交渉はCOPでの議論に委ねられました。これについてのグリーンピースのコメントは以下の通りです。

グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当、小池宏隆

「国連気候変動交渉の第2週目に向けて、各国の環境大臣らがバクーに到着する中で、世界の指導者たちはG20首脳声明を採択しました。これはG20からの前向きなシグナルであり、意見の相違にもかかわらず、新たな気候変動資金に関するCOP29での合意への支持を再確認した点は評価できます。ただし、宣言ではCOP28のグローバルストックの成果のうちのいくつかを確認しているものの、重要な化石燃料からの脱却については言及されていません。核となる気候変動資金については、成功に向けたあいまいな言及にとどまっており、EUが検討している2,000億~3,000億ドルの資金提供と合わせて、COP29での議論が交渉の中心となるのは間違いありません。日本は他の先進国とともに、COP29での野心的な合意を可能にするため、必要とされる資金ニーズを満たす気候変動資金の枠組みを提案する責任があります。今回のG20での前向きなシグナルを、バクーでの具体的な成果につなげなければなりません」

以上


(注1)外務省、G20リオデジャネイロ・サミット(1日目の概要)