先週水曜日の早朝、驚くべきニュースが耳にはいってきました。
ブラジル政府の環境省がアマゾンの最後の手つかずの川の一つ、タパジョス川に建設予定の巨大ダムの認可を取り消すというのです!
私は息がとまりそうになりました。
心臓の鼓動が普通の速さに戻るのを待って、グリーンピースの同僚やムンドゥルク族のリーダーに電話をかけて、ニュースを確認しました。
そして今日(現地時間8月4日)、正式に発表されました。
ブラジル環境省は、タパジョス川の巨大ダム建設を中止したのです!
世界中で署名してくれた一人ひとりのみなさんと、このすばらしいニュースを分かち合いたい気持ちです。タパジョス川の先住民族・ムンドゥルク族の人々と一緒に、声を上げてくれて、本当にありがとうございます。
私たちは、ブラジル政府は遅かれ早かれ、巨大ダム建設が、タパジョス川の環境や先住民族の生活に大きな影響を与えることを、認めざるをえないだろうと確信していました。
そして今、環境省の決断により、巨大ダムの建設認可のプロセスは前に進めなくなったのです。
世界中から120万人もの人々が、ムンドゥルク族の人々と一緒に立ちあがり、タパジョス川のダム建設に反対してきました。
さらに、国立先住民財団(FUNAI)やパラー州の州検察官など、ブラジル国内の団体も、巨大ダムが建設されればムンドゥルク族の故郷が奪われてしまう、それは違憲行為である、として、環境省がダム建設の認可を取り消すことを勧告してきました。
ムンドゥルク族の土地の一部、サワレ・ムイブ(Sawre Muybu)地区は、先住民の土地として公認されるプロセスの途中にありますが、ダムが建設されてしまえば、水の底に沈んでしまっていたかもしれないのです。
この素晴らしいニュースの余韻に浸っていたい気持ちですが、その一方、タパジョス川やほかのアマゾンの川を水力ダムから守るために、まだまだするべきことがあります。
タパジョス川をはじめ、アマゾンの熱帯雨林を流れる多くの川の流域で、42の巨大ダムの建設が計画されています。
熱帯雨林とそこに住む動植物の命を守ることがどれだけ大切かを考えていない、攻撃的な経済モデルの一端がそこにはあらわれています。
これまでにアマゾンで建設されたダムは、その土地のコミュニティに悪影響を与え、環境を破壊し、関連した会社は汚職のスキャンダルで窮地に陥っています。
私たちは、これらのダムを一つひとつ、中止していかなければなりません。
キャンペーンはまだまだ終わりではありません。
アマゾンの森と川を守るため、先住民族の人々とも手を携えながら、活動を続けていきます。みなさんも、ぜひ引き続き応援をお願いします。
ダニクレイ・アギアル Danicley Aguiar
グリーンピース・ブラジル アマゾンキャンペーナー
関連記事:Environmental licence for São Luiz do Tapajós hydroelectric dam denied(英文)
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