【2026年9月】3分でわかる日本と世界の環境ニュース
この投稿を読むとわかること
2026年9月、日本では気象災害が相次ぎました。8日の豪雨では愛知県で観測史上最も激しい1時間雨量を記録。シルバーウィークを直撃した台風25号は、千葉県や神奈川県を中心に12名の死者をもたらしました。
気象災害は前触れもなく起こっているように見えますが、それをひき起こしている変化は、日常のなかに兆候を残しながら水面下で確実に進行しています。9月の環境ニュースでは、日本と世界で行われた記録と告発、連帯のアクションについてお伝えします。
日本:秋の味覚が告げる気候変動の影響
グリーンピース・ジャパンは9月17日に、報告書『秋の味覚が告げる気候変動の影響』を発表しました。サツマイモやナシ、ブドウ、米の4つの作物について、主要産地の気温の推移を調査、さらに全国の生産者を対象にアンケート及び聞き取り調査を行い、浮かび上がったのは、産地の気候が作物の健全な生育にとって限界を迎えつつあるという事実です。

調査では、まず気象データから作物ごとの「この温度を超えると生育や品質に悪影響が出る」という基準を超えた日数が、50年前(1966〜1975年の10年平均)と近年(2016〜2025年の10年平均)でどのように変わったかを比較。その結果、4作物すべての主要産地で、超過日数が著しく増加していることがわかりました。
<各作物の主要産地での超過日数>
サツマイモ(鹿児島):生育に悪影響を及ぼす30度以上の「真夏日」が、本圃生育期*(6〜10月)で23日増
ナシ(千葉):生育に悪影響を及ぼす30度以上の「真夏日」が、果実発育・成熟・収穫期(6〜10月)で30.3日増
ブドウ(山梨):着色不良を招く27度超の日数が、成熟期(7〜8月)で43日増
米(新潟):品質低下を招く27度超の日数が、出穂後の高温曝露を見る8月で18日増
*本圃生育期とは、苗床で育てた苗を畑(本圃)に植え付けてから、収穫までの生育期間

全国の生産者と生産者団体に行ったアンケートと個別ヒアリングでは、極端な猛暑による水不足や、不規則な雨、病害虫の発生など、複数の要因が絡み合い、生産者を極めて厳しい状況に追い込んでいる実態が浮き彫りとなりました。
生産者は、暑さに強い品種に切り替えたり、作付けの時期をずらしたりと、適応の道を探っていますが、グリーンピース担当者は「個人の努力だけでは、いずれ立ち行かなくなる」と指摘。政府に対し、気候変動が生産者にもたらす被害の実態調査をさらに進め、構造的・持続的な適応支援を強化することを求めています。
同時に、根本原因である化石燃料依存から早期に脱却するため、省エネと電化を国と社会全体で進めること、そして屋根置き太陽光発電をはじめとする地域共生型の再生可能エネルギーの普及加速を進める活動を続けています。
国際:AIの巨人NVIDIAによる排出量偽装を告発
グリーンピース・インターナショナルと市民団体が、世界最高の時価総額を誇るAI関連企業NVIDIAによる自社排出量のごまかしを告発しました。

9月16日に発表された報告書では、NVIDIAがグリーンウォッシュの手法を用いて排出量を過小に見せていることが指摘され、同社の間接排出量が2020年から725パーセントも増加していることが明らかとなっています。
NVIDIAのビジネスの核にあるのは東アジアで製造されるチップです。このチップはライフサイクル全体を通じて膨大なエネルギーを消費し、最終的には同じくエネルギーと水を大量に必要とするデータセンターで、主に生成AIの運用に使われます。
報告書では、NVIDIAが排出から目をそらすために使ってきた「AIは気候問題の解決に役立つ」「効率化は進歩である」といった主張を検証し、いずれも事実を歪めるものだと結論づけました。
NVIDIAは自社製品と数十億ドル規模のサプライチェーンの背後で急増している排出に向き合うことをしていません。グリーンピースは、NVIDIAに対して世界各地で再エネに投資すること、そして現在は自社の事業運営にとどまっている「再エネ100パーセント」目標を、2030年までに製造サプライチェーン全体へ拡大することを求めています。
国際:世界中で気候のためにアクション!
9月は、世界各地で気候のための行動が行われた月でした。ニューヨークでは9月20日から27日にかけて「クライメート・ウィーク・ニューヨーク」が開かれ、23日には国連気候サミットが開催されました。グリーンピース・インターナショナル事務局長のマッツ・クリステンセンも、エネルギー転換の機会をテーマとする基幹セッションに登壇し、世界に向けて気候対策を求めました。

日本でも、9月11日から27日にかけて「気候アクションウィーク2026」が開催されました。グリーンピース・ジャパンが参加する環境団体のネットワーク「ワタシのミライ」による呼びかけで、気候マーチ、勉強会、映画上映会など、60を超える気候アクションと、各地での大規模なマーチが行われました。25日に行われた「気候マーチ東京」では、グリーンピースのスタッフやボランティアを含む550人が、思い思いのバナーを掲げて環境省、東電本社前を歩きました。

グリーンピースのスタッフとボランティアは、「ひまわりのように太陽の方を向き、エネルギー転換を進めよう」というメッセージを込め「Solar is hope」のバナーを掲げ、街ゆく人々にひまわりの花を配りました。
ブラジル:アマゾンの金ロンダリング「ゴースト鉱区」がまた見つかる
6月の環境ニュースで取り上げたアマゾンの金のロンダリングについて、グリーンピース・ブラジルがあらたな事例を突き止めました。今回見つかったのは先住民族ムンドゥルクの土地にまたがる「ゴースト鉱区(申告された採掘の実態がない鉱区)」です。

パラー州の採掘協同組合が持つこの鉱区では、2026年6月に4.5キログラムの金の採掘が申告されました。しかし、衛星画像の解析と上空調査の結果、採掘を許可された5隻の作業船は一隻も許可区域内におらず、許可範囲外で採掘を続けていたことがわかりました。上空からは、作業船から出た土砂が川に砂州をつくっているのが確認されましたが、こうした砂州には、金の精錬に使われた水銀が濃縮されています。
さらに、この鉱区はムンドゥルク先住民地域の一部と定められているクルル島にまたがっています。グリーンピース・ブラジルは採掘許可がブラジル憲法に違反すると指摘しています。
原因がわかっていることは解決できる
フロンガスが原因で薄くなったオゾン層「オゾンホール」が、回復に向かっています。1985年頃にオゾン層の破壊が報告されて以来、人々は協力して原因を特定し、1987年にはモントリオール議定書が起草され、世界はフロンの廃止に動きました。
グリーンピースも、1992年にフロンを使わない冷蔵技術「グリーンフリーズ」を開発し、代替技術の実用化に貢献しました。

2025年、マサチューセッツ工科大学の研究チームは、95パーセントの確信度で世界的なフロンの削減によってオゾンホールが縮小していると結論づけました。オゾン層の回復は、世界全体で原因をつきとめ、原因を取り除くことで地球規模の問題を解決した大きな例です。
気候変動も原因をつきとめることができました。対策を講じて原因を取り除くことで、気候危機を抑止し、状況を改善することは可能なのです。
グリーンピースはこうした考えに賛同してくださる個人からの寄付のみで活動することで、政府や企業にいかなる干渉も受けず活動することができています。想像力を働かせ、さまざまなやり方で変化を起こす取り組みをぜひ応援してください。