ゼロから学ぶ原発問題

2011年3月11日に起きた、東京電力福島第一原発事故。この事故は、原子力が一度暴走すれば人の手には負えないこと、人間も自然環境も傷つけ、その被害は広範囲・長期にわたることを、私たちに日々示し続けています。被害者の方たちが抱える困難、失われた自然や生物多様性、すべての原発立地地域で起きている分断は、原発の電気を使い続けてきた私たちみんなに責任のある問題です。いつ次の事故が起きるかわからない、使い終わった放射性廃棄物をどう処理すればよいのかもわからない原発は、未来を生きる子どもたちにとって負担にしかなりません。すべての原発を止め、持続可能な自然エネルギー100%の社会へ。問題を知り、変えるための行動が、100年先も残したい地球へとつながります。

私たちの暮らしと原子力発電

原子力発電は危険を伴うものーー東京電力福島第一原子力発電所事故(以下東電福島原発事故)を経て、多くの人がそのように認識しているのではないでしょうか。地震国・火山国である日本では、いつ次の事故が起きてもおかしくありません。にも関わらず、原子力発電所(以下原発)の稼働は続けられ、新たな建設すら進められています。日本政府は原発について、依存度をできるだけ低減するという方針を出す一方で、温暖化対策と位置付けて重要視しています。

東電福島原発事故発生以降、全国の原発は順次停止し、2014年には日本の電力における原子力の割合は0%になりました。しかし今は、事故の後に作られた新規制基準のもと徐々に再稼働しています。

日本の電力消費量は、1970年代からずっと増え続けています。今も昔も電力を消費する最大の部門は産業部門です。電気の消費の約7割を産業、業務、運輸が使っています。わたしたちが仕事で使っている電気を自然エネルギーに変えること、わたしたちが家庭で使っている電気を自然エネルギーに変えることが、とても重要です。

資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとに作成
資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとに作成

原子力発電のしくみ

そもそも、原子力発電とはどのような発電方法なのでしょうか。

原子力発電は、燃料となるウランを核分裂させることで熱エネルギーを得て水を沸かし、その蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こします。火力発電と電気を起こすしくみは同じです。タービンを回し終えた蒸気は海水で冷やされて水になり、原子炉に戻されます。

ウラン燃料は、天然ウランを採掘・核分裂しやすいウランだけを取り出し濃縮する加工をして作られています。使った後は、使用済み核燃料になります。

原子力発電の問題点

問題点1:原発事故の危険性

原子力発電は、ウランの核分裂反応を利用します。その原理は原子力爆弾と同じです。爆弾は核分裂を短時間に大きく引き起こし、原子力発電は核分裂をコントロールして扱おうとします。ウランが核分裂する時には、熱とともにさまざまな放射性物質が作られます(=核分裂生成物)。東電福島原発事故の例でもわかるように、大きな事故が起きれば、閉じ込められているはずの放射性物質が外へ漏れ出します。

放射線や放射性物質には、これ以下であれば安全という明確な値はありません。放射線はDNAを傷つけます。長期的な影響として、がんや白血病になるリスクが高まります。

原発は通常運転でもこのような放射性物質を少しずつ外に出していますが、大規模な事故で大量に出してしまう危険性も常にあります。日本は活断層を多く持つ島国で、地震と津波のリスクが高いにも関わらず、原発は海水を多く使うことから海岸沿いに建設されています。地震や津波、加えて人為的なミスも含め、いつ次の大事故が起こるかわかりません。

ウラン燃料をつくるためのウラン鉱石を掘り出す施設や、ウランを濃縮する施設、燃料棒を作る施設、原発、原発の使用済み核燃料を再処理する施設、放射性廃棄物を処理する施設……これら原発のライフサイクルのすべてで、放射性廃棄物を生み、放射線事故の危険性があります。

福島第一原発事故。2011年3月14日撮影
福島第一原発事故。2011年3月14日撮影

問題点2:処分場所がない核のごみ「放射性廃棄物」

日本では、1960年代から原発が利用されてきました。運転を始めた以上、逃れることができないのが、放射性廃棄物の問題です。原発の燃料は、使用後には使用済み核燃料となります。日本は、この使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再利用する計画を進めてきました。再処理した後の廃液をガラスで固めたものが「ガラス固化体」と呼ばれる「高レベル放射性廃棄物」です。

現在、数千本もの「ガラス固化体」が青森県六ヶ所村と茨城県東海村の施設で一時保管されています。高レベル放射性廃棄物が安全なレベルになるには、数万年かかります。日本にはまだ最終処分場がありません。

また、使用済み核燃料は、全国の各原発施設内の貯蔵プールなどに保管されています。全国の原発で、今後数年で燃料プールが満杯になる見込みです。その後使用済み核燃料をどうするのか、計画の目処はたっていません。

ほかにも、ライフサイクルを通して、燃料の制御棒やポンプ、施設のコンクリート、金属、手袋など消耗品、廃液などさまざまな低レベル放射性廃棄物が出ます。膨大な放射性廃棄物を今後どう管理しどう処理していくのか。数万年単位で放射線を出し続ける放射性廃棄物を含み、これ以上増やさないためにも、まず、原発を止める必要があります。

原子力発電環境整備機構、<a href='https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/006_03_00.pdf' target='_blank' rel='noreferrer'>資源エネルギー庁</a>資料を元に作成
原子力発電環境整備機構、資源エネルギー庁資料を元に作成

問題点3:通常時も放射性物質を放出、労働者の被ばくが前提

原子力で発電するために、驚くほどたくさんの関連施設が存在しています。原発の燃料となるウランを掘り出す鉱山から、使用済み核燃料を保管する施設まで、すべての場所で労働する多くの人たちが、放射線を浴びながら働いています。原発での被ばく労働により、白血病が労災認定された例もあります。

問題点4:海の生態系に悪影響

日本ではすべての原発が海岸沿いに建てられています。これは、海水を冷却に使っているためです。この冷却水による海洋生態系への弊害について、これまで多くの海洋学者や学会が指摘し、政府や電力会社宛てに、複数回にわたって要望書を提出してきました。

まず直接の被害として、海水が原発に取り込まれる時、プランクトンや魚介類の卵などが死滅しています。冷却水はもとの海水温よりも7度程度高くなって海に戻されるため、周辺海域に温暖化をもたらします。さらに、原発内を清掃した水など、放射性物質を含む排水も海に流されており、海の生き物に影響することが懸念されています。

また新たな原発建設工事は、海底のボーリング調査や海岸の埋め立てなどにより生態系を破壊します。中国電力が建設を計画する上関原発建設予定地、山口県上関町の田ノ浦海岸は、生物多様性が極めて豊かな希少動物の宝庫です。原発の建設工事を止めるよう、周辺の住民や市民団体が反対運動を続けています。

原発建設予定地の上関の海を唯一の生息地とするカンムリウミスズメ。世界に5,000羽しかいないといわれる(撮影:泊寿彦)
原発建設予定地の上関の海を唯一の生息地とするカンムリウミスズメ。世界に5,000羽しかいないといわれる(撮影:泊寿彦)

問題点5:核にアクセスしやすくなり「核拡散」の危険性が高まる

原発の燃料のウランは、原爆の材料でもあります。原爆には「高濃縮ウラン」が使われますが、原発の燃料のウランからも作れます。また、日本では、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出していますが、「プルトニウム」も原爆の材料になります。核兵器を作ろうとする国やテロリストが、ウランやプルトニウムを奪取しようとする可能性があります。

2019年末時点で、日本の保有するプルトニウム量は45.5トン。国内では青森県六ヶ所村再処理工場などに8.9トンを、再処理を委託したイギリスとフランスに合わせて36.6トンを保有しています。プルトニウムは6キロもあれば、核爆弾を1個作ることができます。つまり、45.5トンは核爆弾7,000発以上に匹敵します。そのため、アメリカなどを中心に国際社会から懸念が表明されています。日本は、プルトニウムを原発で燃料として使用し減らしていくとしていますが、計画は進んでいません。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す六ヶ所村再処理工場は、事故や故障が相次ぎ、稼働は延期され続けています。その危険性から、市民の反対運動も続いています。

日本の六ヶ所村再処理工場の航空写真。2002年11月撮影
日本の六ヶ所村再処理工場の航空写真。2002年11月撮影

問題点6:もっともコストの高い電源

原発は、建設費用に数千億円がかかりますが、立地自治体への補助金、反対世論を抑えるための広報費などにも莫大なコストがかかります。また、東電福島原発事故以降に追加された安全対策の費用は、原発1カ所で数千億円にのぼるケースもあることがわかっています。さらに、東電福島第一原発事故の被害総額は81兆円という試算もあります(日本経済研究センター)。

従来の日本政府による発電コスト計算は、こうした建設費用や事故被害額、安全対策費用が低く見積もられています。稼働率も現実に即していません。

また、原子力発電は、発電時の熱効率の悪い発電方法です。熱効率とは発生した熱のうちどれくらいが電気になるかという数値ですが、火力発電で約40%、原発は33~34%です。さらに発生した熱の多くが温排水として捨てられています。

東電福島第一原発。事故対応は今も続いている。2018年撮影
東電福島第一原発。事故対応は今も続いている。2018年撮影

問題点7:原発は温暖化対策にはならない

日本政府、経産省は、CO2削減のために原発の再稼働を進めています。核分裂の熱を利用する原発は、発電時にCO2を排出しません。しかし原発は温暖化対策になりません。

原発は、燃料を作るにも使用後も工程が多く、そのすべての段階で、エネルギーが使われてCO2が発生します。各工程間の輸送でもCO2を排出します。

危険を伴う原子力は、立地から、管理、運営、核のごみの後始末まで、お金や人、政治的リソースをたくさん使います。その分、地球温暖化の抜本的解決策である自然エネルギー導入や省エネ推進が遅れてしまいます。

原発は、トラブル、不祥事、裁判、自然災害などで計画通りの運転ができないことがよくあります。そのたびに、不足分を補うために火力発電を動かすことになります。また、トラブルがなくても、約1年ごとに、定期点検を行うために、3カ月程度運転を停止します。その間のバックアップのために、原発が増えるとともに火力発電も増えてしまいました。

何よりも、通常運転でも放射能を放出し、被ばく労働者を生み、使用済み核燃料の処分方法も場所も決まっていない原発に、持続可能性はありません。

現在も稼働が続く川内原発
現在も稼働が続く川内原発

世界における原発事故の実態

1979年 アメリカ・スリーマイル島原発事故:国際評価レベル5

1979年3月28日、アメリカ北東部ペンシルべニア州スリーマイル島の原発で起きた世界初のメルトダウン事故。トラブルとミスが重なり核燃料の冷却ができなくなり、燃料が溶け落ちました。放射能が放出され、周辺自治体の住民が避難しました。溶け落ちた燃料に金属などがまざった「燃料デブリ」の一部は、いまだ取り出されていません。

原発事故・トラブルの深刻度を示す国際的な指標「国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)」では、レベル5の事故となっています。

アメリカ北東部ペンシルべニア州、スリーマイル島原子力発電所
アメリカ北東部ペンシルべニア州、スリーマイル島原子力発電所

1986年 旧ソ連・チェルノブイリ原発事故:国際評価レベル7

1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で起きた原子力史上最悪の事故。国連は「人類の歴史上もっとも深刻な環境破壊」と称しています。原子炉が暴走して爆発、大量の放射能が放出され、北半球全体を汚染しました。ソ連が開発した原子炉の安全設計上の問題と、運転員の規則違反や、運転管理上の問題などが重なって起きた大事故でした。原発から半径30キロ圏は今でも立ち入り禁止です。汚染も続いており、今でも500万人もの人々が、汚染された土地での生活を余儀なくされています。

INES評価では、もっとも深刻な事故・レベル7とされています。

原子炉は現在セメントの石棺で塞がれているが、中は放射性物質が充満している。新しい巨大な囲いが作られているがそれも耐久年数は100年といわれる
原子炉は現在セメントの石棺で塞がれているが、中は放射性物質が充満している。新しい巨大な囲いが作られているがそれも耐久年数は100年といわれる

1999年 茨城県東海村・JCOウラン加工工場臨界事故:国際評価レベル4

東電福島第一原発事故以前におきた日本の重大事故として、JCO臨界事故があります。核燃料加工会社JCOで、大量の放射能を浴びて作業員2名が死亡、約31万人が屋内退避しました。

核燃料をつくる過程でウラン溶液が臨界に達し、核分裂連鎖反応が起きて中性子線、ガンマー線が放射されました。

環境省「<a href='https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat1-02-08.pdf' target='_blank' rel='noreferrer'>放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料</a>(平成26年度版)」 第2章 事故の状況/国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力百科事典ATOMICA「<a href='https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_04-10-02-01.html' target='_blank' rel='noreferrer'>核燃料サイクル施設の事故・故障</a>」「<a href='https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-07-02-04.html' target='_blank' rel='noreferrer'>原子力発電所の事故・故障</a>」を参考に作成
環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成26年度版)」 第2章 事故の状況/国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力百科事典ATOMICA「核燃料サイクル施設の事故・故障」「原子力発電所の事故・故障」を参考に作成

東電福島第一原発事故

国際評価でもっとも深刻なレベル7の大事故

2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。東電福島第一原発は、地震によって外部電源が失われ、その後津波により全電源が喪失。原子炉3基で冷却機能が失われ、炉心が溶け出し(メルトダウン)、1号機、3号機、4号機が爆発して大量の放射性物質が放出されました。

原子力施設の事故の深刻度を示す国際評価は、チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」。推定で4〜90京ベクレルの放射性物質が放出され、7〜8割が海へ、残りが陸へ拡散しました。深刻な放射性物質の拡散状況であったにも関わらず、事故発生当初、周辺住民への避難指示は限定的なものでした。3月11日時点で3km圏内、12日に10km圏内、15日に30km圏内に屋内退避指示が出されました。大量の放射性物質が流れ込んだ飯館村に避難指示がだされたのは4月22日でした。福島市、郡山市なども深刻に汚染されましたが、避難指示がでることはありませんでした。

東電福島原発事故による、放射線の広がりを表した地図(早川由紀夫教授による放射能汚染地図)
東電福島原発事故による、放射線の広がりを表した地図(早川由紀夫教授による放射能汚染地図)

終わらない汚染。除染費用20兆円超という試算も

除染廃棄物や除染土は、1,600万~2,200万m3と推計されており、東京ドーム約13~18杯分に相当します。除染費用だけで総額で20兆円かかるという試算もあります。

しかし、福島県の7割を占める森は、道路から20mまでしか除染されません。除染されていない森には事故発生直後に降り注いだ放射性物質が溜まっていて、いわば貯蔵庫の役割を果たしています。森林に降り注いだ放射能は、雨や台風によって低地へと移動します。一度除染された場所でも、ひとたび大雨が降れば再汚染がおこります。セシウム134が半分になるまでに約30年、1000分の1になるまでに300年かかります。汚染には終わりはありません。

グリーンピースでは、事故発生直後の2011年3月に放射線調査をする国際チームを結成し、以降現在まで継続的に放射能汚染の実態調査をおこなっています。

高すぎる被ばく限度、奪われる避難の権利

東電福島第一原発事故が起きるまで、一般人の被ばく限度は年間1ミリシーベルト(以下mSv)でした。しかし政府は、避難指示解除の基準を一般人の被ばく限度を20倍の20mSvとし、年間1mSvを「長期目標」としました。

政府は除染対象地域の除染が完了した地域から避難指示を解除し住民の帰還を進めていますが、グリーンピースの調査では、避難指示が解除された地点でも、年間1mSvを上回る結果が出ています。除染が完了した地域も、大雨のあとには流れてきた土によって再汚染されたり、空間放射線量が著しく高いホットスポットが生まれたり、放射線量が変化することがわかりました。

グリーンピースの調査結果が示すのは、避難指示が解除された地域でも、日常生活を安全に過ごせるとはいえない放射線状況が継続している場所があるという事実です。

避難指示が解除された地域の住民には賠償金は支払われなくなり、帰還しないことを選んだ住民は自費で避難生活や移住をしなければいけません。住民が避難をする権利が侵害されています。

グリーンピースでは、被災者12人の10年間の歩みと思いを綴ったサイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』を作成し、事故を経た福島での暮らしについてインタビューしているほか、原発事故を踏まえた反省や未来への思いを6名の専門家の方に伺いました。

廃炉最大の課題「放射能汚染水」

東電福島第一原発における大きな課題となっているのが「汚染水問題」です。燃料を冷やす水や地下水が放射能汚染水となって増え続けており、2021年時点で敷地内に125万トン以上貯蔵されています。

この放射能汚染水は、放射性核種除去装置(ALPS)などを使って処理されていますが、処理後もALPSでは除去できないトリチウムや、除去しきれなかったストロンチウムなどが大量に含まれています。除去できない放射性核種には、炭素14という半減期が5730年という長寿命のものも含まれています。

放射能汚染水の処分方法について、漁業関係者や多くの市民が反対するなか、2021年4月、日本政府は海洋放出を閣議決定しました。これは、現在も事故の影響で苦しむ福島の人々に追い打ちをかけるものです。政府は放射線のリスクを軽視し、「原発敷地内や周辺地域に十分な貯蔵能力がある」という国の小委員会での議論を無視しています。グリーンピースは今後も放射性廃棄物の太平洋への放出をさせないよう取り組んでいきます。

東電が放射能汚染水を流してはいけない理由はこちら

福島第一原発内に保管されている汚染水
福島第一原発内に保管されている汚染水

日本の原発の状況と建設計画

東電福島原発事故後、全国の原発は徐々に稼働を停止し、2014年にはすべてが停止しました。再稼働には、事故後に作られた原発の「新規制基準」への適合を認められる必要があります。2015年以降、複数の原発が新規制基準の審査を受け、稼働を再開しています。現在日本には30基以上の原発があり、さらに新たに3基が建設中で、6基が建設準備中の段階にあります。

全国の原発は、それぞれに問題を抱えています。関西電力は福井県の地元会社から金品を受け取っていたことがわかり、新潟県の柏崎刈羽原発は、中央制御室への不正入室を始めとする不祥事が明らかになっています。宮城県の女川原発は東日本大震災で被災し、原子炉建屋の1130カ所でひびが見つかりました。静岡県の浜岡原発は、予想される東海大地震の震源域の真上に位置しています。ほかにも、活断層の有無や火山灰の届く範囲かどうかなど、調査中の原発も多くあります。

こうした状況を受け、ほとんどの原発に対して、住民らによる運転の差止めなどの訴えが起こされています。2014年に福井地裁が大飯原発3、4号機の運転差し止めを、2015年に福井地裁、2016年に大津地裁が高浜原発3、4号機の運転差し止めを、2017年には広島高裁が伊方原発3号機の運転差し止めを決定しています。上級審で覆される例が多くあるものの、こうした司法判断は世論に大きな影響を与えてきました。2020年12月には、大飯原発3、4号機について設定許可の取り消しの判断も出ています。

日本原子力産業協会 「<a href='https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2021/02/2021-01.pdf' target='_blank' rel='noreferrer'>原子力発電所の運転・建設状況</a>」、産総研「<a href='https://gbank.gsj.jp/activefault/search' target='_blank' rel='noreferrer'>活断層データベース</a>」、地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図2010,2012」を元に作成
日本原子力産業協会 「原子力発電所の運転・建設状況」、産総研「活断層データベース」、地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図2010,2012」を元に作成

脱原発へ舵を切った国々

東電福島第一原発事故を受けて、あらためて、スイス、ドイツ、台湾、韓国が脱原発に舵を切りました。ドイツは2022年までに全廃を予定しています。イタリア、オーストリア、オーストラリアは東電福島原発事故以前から脱原発を決定、現在まったく原発は利用されていません。また、国として脱原発を掲げたわけではありませんが、ベトナムでは2016年に南部での原発建設計画が撤回されているほか、アメリカでは寿命を待たずに閉鎖される原発も出てきています。欧州や北アメリカでは原発の設備容量はほとんど伸びていません。

出典:<a href='https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/nuclear/sekainonuclear.html' target='_blank' rel='noreferrer'>資源エネルギー庁</a>、<a href='https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-01-12.html' target='_blank' rel='noreferrer'>日本原子力文化財団</a>、「<a href='https://www.swissinfo.ch/jpn/%E7%A6%8F%E5%B3%B6-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85-%E7%AC%AC1-10%E5%B9%B4-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E6%94%BF%E7%AD%96-%E8%84%B1%E5%8E%9F%E7%99%BA-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9/46439804' target='_blank' rel='noreferrer'>swissinfo.ch</a>」を参考に作成
出典:資源エネルギー庁日本原子力文化財団、「swissinfo.ch」を参考に作成

原発ゼロ、自然エネルギー100%の社会へ

危険を伴い持続可能性のない原子力の利用をやめ、自然エネルギー100%の未来へ向けて舵をきることが、東電福島原発事故を経た日本が取るべき唯一の姿です。日本は現在、「原発依存度をできるだけ低減させる」としながらも、原発は「重要なベースロード電源」と位置づけています。「自然エネルギーはコストが高く、不安定で、扱うことが難しい」という従来の考えから脱却し、「自然エネルギー100%」を実現するにはどうすればよいかを考えるべき時が来ています。

2020年、EU27カ国全体で総発電量に占める自然エネルギーの割合は38%に増加し、37%に減少した化石燃料を初めて上回り、最大電源となりました。一方、原子力はシェア25%に減少しました。これはすでにEUが、自然エネルギー中心のエネルギー構成にシフトしたことを意味します。自然エネルギー導入先進国のオーストリアは、2030年までに自然エネルギー100%を掲げ、2020年に既に欧州で最も高い自然エネ比率79%を達成しています。そして同国は国際原子力機関(IAEA)本部を首都ウィーンに擁しながらも、前述の通り原発廃止国でもあります。送電線のシステムの違いなど日本独自の課題もありますが、EUによるこのニュースは、日本の進むべき道を明るく照らしています。

福島で自然エネルギーの利用を促進するためのプロジェクトの一環で、大河原さん夫妻が運営するコミュニティカフェ「えすぺり」の屋根に、太陽光パネルを設置しました。これはクラウドファンディングに参加してくれた市民の出資によって実現しました。
福島で自然エネルギーの利用を促進するためのプロジェクトの一環で、大河原さん夫妻が運営するコミュニティカフェ「えすぺり」の屋根に、太陽光パネルを設置しました。これはクラウドファンディングに参加してくれた市民の出資によって実現しました。

私たちに今すぐできること

action1

自然エネルギーに切り替える

原発に依存する大手電力会社から、自然エネルギーを供給する電力会社へと切り替えることは、誰にでも始められる重要な行動です。自宅や事務所で自然エネルギー100%の電力会社に切り替えれば、毎月の電気代が、そのまま自然エネルギーへの投資に繋がります。

未来をつくる電気の選び方として、自然エネルギーの電力会社をまとめているプロジェクトもあります。

グリーンピースも参加する、クリーンな電力会社がわかる「パワーシフト」HPはこちら

action2

周りの人に情報とビジョンを伝える

東電福島原発事故から10年以上が経ちました。記憶を風化させず、原発事故を知らない若い世代にも東日本大震災の記憶や経験を伝えていく必要があります。原発の再稼働についての世論調査では、反対が賛成を上回っているものの、反対・慎重な意見は年々減りつつあります。原発の危険性や本当のコストを伝えていかなければ、原発政策についての世論を変えることはできません。

脱原発へと舵を切ったドイツやオーストリアの事例が示すのは、草の根の市民活動なくして改革はありえなかったという事実です。国や企業、組合など、力を持った組織を動かすことは容易なことではありません。しかし、中長期的な視点でみれば、時間を要しても、個人から個人へと「原発のない、安心して暮らせる社会」「少しでも良い状態で次世代に手渡せる未来」というビジョンを繋いでいくことは大きな意味を持っています。

action3

グリーンピースの活動に参加する

グリーンピースは、東電福島原発事故直後から放射能濃度測定をはじめとする放射線影響調査を行っており、現在も調査を継続しています。そして、調査によって得られたデータをもとに、科学的な根拠に基づいて、事故被害の状況を明らかにしてきました。国連の人権保障システム等を通じて原発事故被害者の人権保護を訴え、原発事故被害者はもとより、日本全国の原発立地地域の住民の活動を紹介する取り組みも行っています。

グリーンピースがめざすのは、「原発ゼロ・自然エネルギー100%」。すべての原発を止め、持続可能なエネルギー社会の実現です。

ぜひ、グリーンピースの活動にご参加ください。

他の問題を知る

いまあなたにできること

#原発 #有害物質 放射能汚染水を海洋放出しないで

東京電力福島第一原発事故から8年たっても増え続ける放射能汚染水。選択肢に上げられている放射能汚染水の海洋放出に強く反対します。

参加する

報告書

報告書『福島第一原子力発電所の廃炉計画に対する検証と提案』

3月 2021

『福島第一原子力発電所の廃炉計画に対する検証と提案』

特設ウェブサイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』

3月 2021

2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故から10年となった2021年3月、特設ウェブサイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』を発表しました。これは、被災者12人の10年間の歩みと思いを綴った東電福島第一原発事故の記録です。

報告書『福島第一原発 2011-2021年:除染神話と人権侵害の10年』

3月 2021

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは(東京都新宿区、以下…

On the Frontline of the Fukushima Nuclear Accident: Workers and Children

3月 2019

Eight years after the start of the Fukushima Daiichi nuclear disaster and two years after the Japanese government lifted evacuation orders in areas of Namie and Iitate, radiation levels remain…

原発事故の最前線 : 労働者と子どもへのリスクと人権侵害

3月 2019

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは(東京都新宿区、以下グリーンピース)、本日8日、放射線調査報告書『原発事故の最前線 : 労働者と子どもへのリスクと人権侵害、福島県浪江町と飯舘村における放射線調査』(注1)を発表しました。

グリーンピース報告書、衣料品産業による有害化学物質からのデトックスの成果を示す ーー ユニクロは有害化学物質全廃をリードする、日本で唯一の参加企業

7月 2018

国際環境NGOグリーンピースは7月12日(イギリス時間)、大手衣料品ブランドを展開する企業等80社を調査し、有害化学物質の使用・排出ゼロに向け大きく進歩していることを報告するレポートを発表しました(注1)。

「グリーンピース・ジャパン ブリーフィング・ペーパー第5次エネルギー基本計画(案)についての評価と提言」

7月 2018

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、政府が本日7月3日、中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定したことを受け、以下のブリーフィング・ペーパーを発表しました。

『原発事故の写像ー浪江町と飯舘村における放射線調査』

3月 2018

本報告書は、グリーンピース・ジャパンが2017年9月から10月にかけて、飯舘村、浪江町の避難指示が解除された地域、および浪江町の帰還困難区域で行った放射線調査結果をまとめたものです。民家や森、道路などで、合計数万カ所もの地点を測定しました。

2018/03/01 グリーンピース最新放射線調査報告書ーー避難指示解除区域で国際基準/日本政府長期目標をはるかに超える放射線リスク

3月 2018

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは(東京都新宿区、以下グリーンピース)、本日1日、放射線調査報告書『原発事故の写像ーー浪江町と飯舘村における放射線調査』(注1)を発表し、福島県の飯舘村や浪江町の避難指示が解除された地域で、いまなお国際基準と政府の長期目標の年間1ミリシーベルト(注2)をはるかに超える高い放射線量が続いている地点があること、除染の効果が限定的であることを明らかにし、政府がこれらの地域の人々への賠償を打ち切る形で帰還を進めることは、人権侵害であると訴えました。

[でんきのほんと でんきのこれから 2017改訂版 ] できました!

1月 2018

[無料ダウンロード&配布]でんこれ2017年改訂版できました!

環境に優しい電子機器企業ガイド

11月 2017

本ガイドは、スマートフォン、タブレット型端末、ノートPCといった電子機器製品を製造・販売するグローバルIT企業17社の環境への取り組みを評価した「Guide to Greener Electronics 2017」の日本語版です。

『遠い日常:福島・飯舘村の民家における放射線の状況と潜在的生涯被ばく線量』

3月 2017

本報告書は、2016年11月に飯舘村の北部、南部、中心部の7軒の民家で実施した放射能汚染レベルの調査結果をまとめ、生涯(70年)被ばく量を推計した「No Return to Normal」の日本語版です。

グリーンピース報告書、政府の帰還政策は原発事故被害者の 人権侵害と指摘 ーー女性・子どもへの被害は深刻

3月 2017

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、「国際女性デー」を前にした本日7日、報告書『格差ある被害: 原発事故と女性・子ども』を発表し、東京電力福島第一原発事故からこれまで6年間の日本政府の対応が、数多くの人権侵害を引き起こし、特に社会的弱者であり、かつ放射能の影響をより強く受ける女性と子どもに深刻な被害を及ぼしたと指摘しました(注1)。

グリーンピース新報告書、日本3メーカー製造の原発部品に強度不足の疑い ーー再稼動ではなく現物の検査を

12月 2016

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日13日、強度不足の疑いがある原発の部品についての報告書『_本の原_炉に導_された_次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー:最終第二部及び三部』を発表しました(注1)。イギリスの原子力規制機関出身の原子力コンサルタントジョン・ラージ博士(注2)によるこの委託報告書は、日本鋳鍛鋼、日本製鋼所、JFEスチールの3社すべての部品で強度不足の可能性があることを指摘しています。 本報告書は、日本全国で原発を所有する電力会社から原子力規制委員会への提出報告書と、部品メーカー3社から規制委へ提供された資料、およびフランス原子力安全局(ASN)から直接入手したアレバ社の文書を分析し、1980年代から1990年代に、欠陥部品を含む機器が日本の原発にも取り付けられている可能性が高いと結論づけました。なお日本製鋼所は、原子炉圧力容器に炭素濃度の高い領域が残ることを自ら認めています(注3)。なお本報告書は、フランスの原子炉機器サプライチェーンについて解説し、日本の原子炉の安全性への示唆やどのような検査が必要かを分析した『_本の原_炉に導_された_次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー: 第_部 フランスの炭素異常と_本の原__発電プラントの相互関係』の続編です。 ラージ博士は「規制委は、強度不足のおそれはないと結論づけています。しかし、その結論の根拠の一つとなっている部品メーカーから提供された文書が示す、強度不足を引き起こす炭素濃度の高い領域を製造過程で切り取るためのメーカーの予測式には信頼性がありません。フランスでは、現物の検査をして初めて欠陥部品を見つけることができました。つまり、輸出当時に示したデータは現物の強度を反映しておらず、過去の記録調査では全く不十分ということです」と述べています。 フランスでは原子炉12基に日本鋳鍛鋼製の部品を含む蒸気発生器が使用されており、その全てが停止や試験を命じられています。さらに、日本鋳鍛鋼は2基の実物大の蒸気発生器部品の試作品を破壊検査用に製造し、ASNの監督下で分析を行う予定です。日本鋳鍛鋼製の部品は1980年代から90年代の輸出当時にフランスの規制を合格して納品され、これまで使用されてきましたが、今年に入り、現物の検査で初めて強度不足が発覚しました。これは、輸出当時に示したデータが現物の強度を反映していなかったことを示唆しています。実際にアレバ社のクルゾ・フォルジュが規制当局に提出したデータは偽造されており、パリ検察は同社の犯罪に対する捜査を開始しています。またASNは、日本鋳鍛鋼製だけでなく日本製鋼所製の部品も調査対象としています。 現在日本に滞在中のグリーンピース・ドイツ核問題シニアスペシャリストのショーン・バーニーは「フランスでは18基の原発に現物での検査が命じられましたが、日本ではそのような検査はまだ行われていません。これでは、東電福島第一原発事故を引き起こした当時の不名誉な規制機関(原子力安全・保安院)となんら変わりがありません」と規制委の対応を批判しました。グリーンピース・ジャパンは、現在稼動している四国電力の伊方原発3号機と、九州電力川内原発1、2号機の一刻も早い停止と、すでに再稼働が認可されている原子炉の部材検査を優先しつつ、全ての原子炉での同検査を原子力規制委員会に求めています。 注1)『_本の原_炉に導_された_次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー:最終第二部及び三部』 注2) コンサルティング会社、ラージ・アンド・アソシエイツ主宰。1960年半ばから1990年代初頭まで英国原子力公社の研究に従事。IAEAや英・仏・独など各国政府ならびに米国の原子力規制委員会に対し専門的知見を提供している。 注3)日本製鋼所は、規制委に「炭素偏析は鋼塊Top側軸心に生じやすいことから、これを除去するために鍛造初期に押湯の部分的な切捨を実施している。また、回転成形にて生じる余肉によって炭素偏析領域を除去している。最終製品は、鋼塊復元イメージに示す通り、成分濃化部が無い領域に位置することから、C量0.26wt.%を超える偏析の残存はない」と報告している。 “BWR Reactor Pressure Vessel Material: Manufacturing processes and measures to prevent remnant carbon segregation October 17, 2016 JSW.” —…

『循環する放射能:東京電力福島第一原発事故の生態系への影響』

11月 2016

本報告書は、東京電力福島第一原発事故やチェルノブイリで放射線の影響を受けた地域での独立の科学調査の文献とグリーンピースによる放射線調査結果をもとに、放射線の環境への影響をまとめた「Radiation Reloaded:Ecological Impacts of the Fukushima Daiichi Nuclear Accident 5years Later」の日本語版です。

グリーンピース報告書『日本の原子炉に導入された一次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー』発表

10月 2016

グリーンピース報告書『日本の原子炉に導入された一次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー』発表ーー日本製鋼材の安全性に疑問、国内全原発での検査を 国際環境NGOグリーンピースは本日、フランスの原子力発電所における鋼材強度不足の発覚により、日本でも同様の異常が懸念されることを受けて、蒸気発生器や原子炉圧力容器といった重要設備の強度不足に関する報告書『日本の原子炉に導入された一次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー』(注1)を発表しました。フランスの原発で蒸気発生器や原子炉圧力容器の鋼材から基準値を超える炭素濃度が発見され、原子力安全局(ASN)は、仏原子炉メーカーのアレバ社に調査を命じ、その結果、原発を保有するフランス電力会社(EDF)が保有する原子炉12基の運転の停止を命じました。12基には日本鋳鍛鋼株式会社が日本において製造した鍛造部材を含む取替用蒸気発生器が使われ、日本の原発でも同様の問題が懸念されます。本報告書は、フランスの原子炉機器サプライチェーンについて解説し、日本の原子炉の安全性への示唆やどのような検査が必要かを分析したものです。 同時にグリーンピース・ジャパンは、現在稼動している四国電力の伊方原発3号機と、九州電力川内原発2号機の一刻も早い停止と、すでに再稼働が認可されている原子炉の部材検査を優先しつつ、全ての原子炉での同検査を原子力規制委員会に求めています。本報告書を規制委に送付し、追って質問もする予定です。 本報告書は、イギリスの原子力コンサルタント、ジョン・ラージ博士(注2)にグリーンピースが執筆を委託したものです。フランスで建設中のフラマンビル原発3号機において、鋼材の炭素濃度が基準を超えていたことに端を発し、現在発見されているだけで0.22%の基準を大幅に超える0.39%もの炭素濃度が非破壊検査によって日本鋳鍛鋼株式会社の製造品から見つかっています。異常が見つかった箇所は原子炉の一次冷却系において安全機能の重要度「クラス1」で、万が一の事故の際には重大な放射能被害が生じるため、壊滅的な破損は許されません。また本報告書では、日本鋳鍛鋼が1995年から2006年にかけて欠陥のある、つまり仕様を満たしていない蒸気発生器部材を数多くフランスに供給したというのは上記の非破壊検査の結果から紛れもない事実で、これは、日本鋳鍛鋼自身の品質保証検査でも探知されることなくすり抜けたことを示唆していると指摘しています。また、1984年から1993年にかけて、日本鋳鍛鋼はフランスで異常が見つかったのと同じような蒸気発生器ボトム・チャンネル(水室)・ヘッド部材を日本の原子炉(高浜3、4号、川内2号、敦賀2号、泊1、2号)に供給しており、フランスの原子炉と同様に許容できないリスクを抱えていることも指摘しています。 規制委は、10月19日に開催された第37回委員会において、「今の時点で急を要するようなものはない」としています。しかしながら、フランスで発見された異常は、日本では明確に指示されていない非破壊検査を経て初めて発見されたものです。現在、フランスで調査が進む鋼材を供給した日本鋳鍛鋼と、同じくフランスで欠陥の可能性を指摘されている日本製鋼所の両社は、日本全国の原子炉に鋼材を供給していることから、影響は非常に大きく、規制委に対し、検査方法とその結果をすべて公表することを本報告書では求めています。 尚、明日26日には、稼働40年を超える老朽原発である関西電力の高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長認可取り消し裁判の第2回口頭弁論が開かれます。福井県や関西地域の住民、グリーンピースの職員を含む102名が原告です。高浜原発2号機は、老朽原発であるうえに日本鋳鍛鋼が製造した鋼材を使用しています。グリーンピースは、高浜原発2号機についても非破壊検査を含む調査を求めます。

『2030年エネルギーミックスの現実度チェック: 破綻する⽇本の原⼦⼒発電』

5月 2016

本ブリーフィングペーパーは、⽇本が 2030 年に達成しようとしている、⾮常に⾼い原発⽐率と、2030年までに温室効果ガスを2013年比で26%削減するという温暖化対策⽬標の実現可能性について論じ、⽇本のエネルギー政策が危機的状況に陥っていることを⽰したものです(全14ページ)。

『循環する放射能:東京電力福島第一原発事故の生態系への影響(抄訳)』

3月 2016

本抄訳は、東京電力福島第一原発事故やチェルノブイリで放射線の影響を受けた地域での独立の科学調査の文献とグリーンピースによる放射線調査結果をもとに、放射線の環境への影響をまとめたレポート「Radiation Reloaded:Ecological Impacts of the Fukushima Daiichi Nuclear Accident 5years Later」の概要版となっています。(全13ページ)

『爪痕:チェルノブイリと福島 終わらない原発事故』

3月 2016

本報告書はチェルノブイリ原発事故から30年、東京電力福島第一原発事故から5年を機に、二つの事故を振り返り、終わらない汚染、住民への健康と社会的な影響についての科学的調査と、グリーンピースによる現地調査および聞き取り調査をまとめ、今、わたしたちや政府がなすべきことを明らかにしたものです。

Radiation Reloaded

3月 2016

Ecological Impacts of the Fuku…

ブリーフィング ペーパー:「原発にもメーカー責任をーー原子力損害賠償体制のあるべき姿とは」

10月 2015

原発にもメーカー責任をーー原子力損害賠償体制のあるべき姿とは

グリーンピース委託レポート『川内原発における耐震性評価の問題:国際基準と日本基準』

4月 2015

レポート『川内原発における耐震性評価の問題:国際基準と日本基準』

グリーンピース委託レポート『川内原発と火山灰のリスク』

2月 2015

レポート『川内原発と火山灰のリスク』

川内原発 再稼動差し止め仮処分裁判・原告団意見書

1月 2015

『原子力規制委員会の原子力発電所新安全基準の適用と国際原子力機関特定安全ガイドSSG-21, 2012に対する適合性』

ブリーフィング ペーパー: 『日本全国で「稼動原発ゼロ1年」達成―「自然エネルギー革命」を次のステージへと加速する起点の日に』

9月 2014

関西電力 大飯原発(福井県)の4号機が2013年9月に停止して以降、日本全国の原発48基が停止し続け「稼動原発ゼロ1年」を9月15日に迎えたことを受けて、ブリーフィングペーパー『日本全国で「稼動原発ゼロ1年」達成』を発表しました。

リーフレット:みつばちをまもること=畑とごはんをまもること

4月 2014

花から花へと移り、花粉を運ぶみつばちは、私たちの食べる農作物の生産を世界中で支えてくれています。農業の大事なパートナーのみつばちが、今世紀に入ってから、大量に姿を消しはじめてしまいました。

『福島原発事故 空白の責任――守られた原子力産業』

3月 2013

本報告書は、既存の原子力損害賠償制度の不備を分析し、原子炉メーカーなど原子力産業が原発事故時の損害賠償責任を免除されており、その代償を最終的に国民が負担するという「制度的不公平」を指摘しています。

ポスト原子力の3大課題 –国際事例から考える電力会社再生8戦略

2月 2013

いま、日本の電力会社は3大課題に直面しています。

原 発 – 21世紀の不良資産 原子力への投資と東京電力福島第一原発事故

6月 2012

本報告書では、投資家に対して、「福島第一原発を所有する東京電力にどこが融資していたか」、「金融アナリストと格付け機関はどのような早期警告を見逃したのか」、「この先、投資と社会が最良の選択をするための示唆とは」について論じています。

ブリーフィングペーパー「各社意識調査を比較」

6月 2012

2012 年3 月から現在までに各種機関によって実施された意識調査のうち、原発の今後や再稼働について尋ねているもののうち15 件をまとめたものです。

ブリーフィングペーパー 「日本生命と原子力産業」

5月 2012

グリーンピース・戦略ブリーフィングペーパー 2012年5月

福島第一原発事故の教訓 (要約版)

2月 2012

福島第一原発事故の教訓 原子力行政の制度的欠陥  (要約版)

the advanced energy [r]evolution

9月 2011

英語 完全版『自然エネルギー革命シナリオ』

PNG is not ready for REDD

10月 2010

「PNG is not ready for REDD」

原子力は地球温暖化の抑止にならない

6月 2008

原子力は地球温暖化の抑止にならない

報告書「氷山の一角」の発表、グリーンピース号による調査ツアー開始

8月 1999

本日8月12日、グリーンピースは “Tip of…