国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が本日、新規の石炭火力発電事業への投融資中止の方針を発表したことについて、以下の声明を発表しました(注1)。

SMBCは、新規の石炭火力発電所への支援は原則、行わないとしています。ただし、超々臨界圧(USC)技術、二酸化炭素回収・貯蔵(CCS)やカーボンリサイクルに資する技術開発などの複数の例外を示しており、 SMBCの既存の事業も新方針から除外されます。

グリーンピース・ジャパン  エネルギー担当、ハンナ・ハッコ

「SMBCの新方針には失望しました。地球規模の緊急事態のいま、新規の石炭火力発電事業に今後も資金を提供する余地を残しておくことは、非常に無責任です。この方針は、世界的なESG投資のトレンドから、SMBCがいかに遅れているかを示しています。

今月1日、SMBCは経営理念を改定し、『社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する』という一文を追加しました(注2)。しかし、SMBCの脱石炭への後ろ向きな姿勢のせいで、せっかくの企業理念がグリーンウォッシュとなってしまっています。経営理念の実現に真剣であれば、石炭事業や新規の石炭火力発電所を計画する企業への融資停止を明確に約束するべきです」


(注1)三井住友フィナンシャルグループ ESGに関するリスクの考え方について
(注2)三井住友フィナンシャルグループ  グループ経営理念の改定について


(参考)
日本の金融機関・投資家が石炭投融資リストのトップを独占 (2019年12月)
Banktrack: Banking sector commitments on reducing coal financing

写真:1月のスイス・ダボス会議での邦銀に対するアクション(報道関係者には提供可)

グリーンピース報告書:
『日本の二重基準ー海外石炭火力発電事業が引き起こす深刻な健康被害』(2019年8月) 
『不確実で有害 インドネシアにおける日本の石炭火力発電事業』(2018年12月)