国際環境NGOグリーンピースは、セブン-イレブン台湾が今年3月、2050年までに使い捨てプラスチックを廃止することを発表したことを受け、本日以下の声明を発表しました(注1)。アジアの大手コンビニエンスストアでは初の試みです。台湾では、ファミリーマートも使い捨てプラスチック削減のための容器再使用の取り組みを一部の店舗で始めるなど、コンビニ大手の取り組みが進んできています。

グリーンピース・台北事務所  プラスチック問題担当、スザンヌ・ロー

「今回のセブン-イレブンの発表は、台湾だけでなく、アジア全体のプラスチック削減の取り組みにとって画期的な出来事です。今回の発表は、小売業者が飲料容器、食品包装、配送時のごみなどのプラスチックごみを削減するために、大胆な行動を起こせることを示しています。しかし、2050年は遠い先の話であり、そのスケジュールを早める必要があります。使い捨てプラスチック廃止の取り組みが台湾で始まったことを誇りに思いますが、さらに、これを世界中のセブン-イレブンの店舗に拡大する必要があります。私たちは、セブン-イレブンの進捗状況を継続的に確認し、プラスチックを他の使い捨て素材で代用するのではなく、再利用(リユース)と削減(リデュース)を基本とした解決策を期待します」

セブン-イレブン台湾は、台湾最大のコンビニエンスストアチェーンで、アジアで4番目のセブン-イレブンフランチャイズです。台湾に5,600以上の店舗があります。

台湾の他のコンビニエンスストアも、使い捨てプラスチック削減の取り組みを開始しています。台湾のファミリーマートは、桃園店の1店舗で、再使用可能なカップの貸し出しや、再使用可能な弁当容器での食品販売などの実証実験を発表していますが(注2)、全店舗で使い捨てプラスチックを廃止する計画はまだ公表していません。

グリーンピース・台北事務所は、2019年から台湾のセブン-イレブンをはじめとする小売業界に対し、使い捨てプラスチック廃止を求める働きかけを行ってきました。グリーンピースと台湾国立成功大学環境工学部による2020年の調査では、台北市と高雄のセブン-イレブンの店舗では、年間15,000トンのプラスチックごみが発生しており、そのうち少なくとも3割は焼却されていることが分かりました(注3)。過去2年間で、21万人のグリーンピースのサポーターが、セブン-イレブンなどの台湾の大手小売業者に対して、使い捨てプラスチックの削減計画を実施し、再使用を増やすよう求める署名活動を行いました。

グリーンピース・ジャパン、プログラム部長、高田久代

「日本では、レジ袋有料化からもうすぐ一年、使い捨てプラスチックのスプーンやフォークの有料化も検討されていますが、国際的に見るとプラスチックごみ問題解決への取り組みは非常に遅れています。韓国でも、ロッテマートが2025年までに使い捨てプラスチック包装半減を発表したり、スターバックスコーヒーが2025年までに全使い捨てカップ使用中止を発表するなど、使い捨て製品自体を廃止する企業主導の取り組みが進みつつあります(注4,5)。台湾のコンビニの使い捨てプラスチックゼロ目標や削減取り組みのノウハウは、日本のコンビニやカフェチェーン、小売業界全般にとっても参考になるはずです。グリーンピースは日本でも、代替素材やリサイクルに頼らない、使い捨て製品の削減取り組みを求め、企業へのより積極的な情報提供と働きかけを継続していきます(注6)」

(注1)https://www.7-11.com.tw/company/news_page.asp?dId=766(3月29日)
(注2)https://www.chinatimes.com/realtimenews/20210421006225-260410?chdtv
(注3)グリーンピースと台湾国立成功大学の調査
(注4)アジア初、韓国「ロッテマート」2025年までに使い捨てプラスチック包装を半減へ
(注5)スターバックスが韓国で使い捨てカップ廃止へ、日本でもリユースの仕組み導入に期待
(注6)5/27(木)「ごみゼロ」の日を前にシンポジウム開催、 プラごみ問題の真の解決策ーーリユース革命!容器包装で始まるサーキュラー・イノベーション