国際環境NGOグリーンピース(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、国内在住の1000人を対象とした「使い捨てプラスチック製品や容器包装に関する意識調査」の結果を発表しました(注1)。暮らしの中で「不要な使い捨てプラスチック製品や過剰包装のサービスが多いと感じる」と答えた人が、8割以上、「使い捨てプラスチックを使わないための選択肢があれば利用してみたい」人が、7割以上となりました。また全体の6割以上が「日本でもレジ袋の有料化だけでなく、他の使い捨てプラスチック製品について、使用規制や有料化を進めるべき」と考えていることも分かりました。プラスチック問題が深刻化する中、企業には人々のニーズにあった商品・サービスの提供、そのための政府の後押しが求められます。

<調査結果概要>

図:  暮らしの中で、不要な使い捨てプラスチック製品や過剰包装のサービスが多いと思うことはありますか。

  • 「不要な使い捨てプラスチック製品や過剰包装のサービスが多い」と感じている人は、「非常にそう思う」「多少そう思う」を合わせて全体の81.2%
  • もっとも回答の多かった不要、過剰なサービス(19事例のうち5つまで選択)

1位「肉や魚用のトレー」(39.5%)
2位「菓子の個包装」(38.1%)
3位「ダイレクトメールやパンフレットなどのプラスチック製袋」(33.5%)
4位「テイクアウト時の容器や包装」(29.2%)
5位「果物の容器や緩衝材」(26.7%)

  • 「もし衛生面、価格、利便性などに問題がなく、このような使い捨てプラスチックを使わないための選択肢がもっと身近にあるならば、利用してみたい」人は、「非常にそう思う」「そう思う」を合わせて、全体の74.8%
  • 「日本でもレジ袋の有料化だけでなく、他の使い捨てプラスチック製品について、使用規制や有料化を進めるべき」と思う人は、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせて全体の62%

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 渡邊睦美
「プラスチックごみによる海洋汚染、気候危機への影響が深刻化しています。日本は、プラスチック容器包装ごみの排出量が米国に次いで世界2位です(注2)。8割以上の人々が『不要な使い捨てプラスチック製品や過剰包装のサービスが多い』と感じている現状を踏まえ、容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅に削減(リデュース)することが必要です。

また、プラスチック問題の解決には、使い捨て社会からの脱却が不可欠です。そのために、容器などのリユースの仕組み作りを急がなくてはなりません。7割を超える人々が『使い捨てプラスチックを使わないための選択肢がもっと身近にあるならば、利用してみたい』と回答しています。リユースの仕組みの構築は、人々のニーズに応えることにも繋がります。政府や企業には、回収・リサイクルの方法や代替品の前に、まずは使い捨ての容器包装そのものを見直し、大幅な削減に加え、リユースを基本とした社会の実現を急ぐことを求めます。」

<調査概要>
対象:国内在住の1000人を対象に18~79歳で10代刻み(10代は20代に換算)の男女の人口構成比に合わせて実施
地域:すべての都道府県
方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施
時期:2020年9月25日(金)〜2020年9月27日(日)
有効回答数:1000サンプル

(注1)「使い捨てプラスチック製品や容器包装に関する意識調査」
(注2)国連報告書(2018年) Single-Use Plastics: A Roadmap for Sustainability