核兵器をなくしてもっと安全な世界を

9月26日は、国連の定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」です。今から一年ほど前、核兵器の開発・保有・使用を禁止する核兵器禁止条約の採択が行われ、10月には「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン」がノーベル平和賞を受賞したことは記憶に新しいと思います。

いま、核兵器禁止はどこにいる?

核兵器をなくしてもっと安全な世界を

核兵器禁止条約は、昨年の7月7日に122の国連加盟国によって採択され、廃絶に向けた道筋を示すものです。条約を発効するためには、50カ国による批准が必要で、これまでに15カ国が批准し、60カ国が署名しています。これに、日本はまだ加わっていません。

核兵器禁止条約を発効させるため、動きを加速させる必要があります。この国際デーにあわせ、このブログをシェアしてください。

「私の愛する街、広島は突如として、焼け残った建物や黒焦げた死体、灰と瓦礫の山と化しました」

広島原爆の被爆者、サーロー節子さんは言います。

核兵器の威力を思い知らされる証言ですが、今、世界中に存在する核兵器は、広島に投下された原爆よりも60倍以上の破壊力を持つものが多いのです。

「10日間、私たちは被爆により苦しむ女性、男性、高齢者や子どもを救出しました。彼らは、何十年も前から先祖が暮らしていた愛する土地を離れなければなりませんでした。その愛する土地で暮らせば、彼らは病気になってしまうからです」

これは、グリーンピース・インターナショナル(本部)の事務局長、バニー・マクダーミッドの言葉です。バニーは、太平洋で行われた核実験の被爆者の避難を支援する、グリーンピースの船「虹の戦士号」に乗船していました。下の写真は、当時ロンゲラップ島からの避難の様子を伝えています。

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核兵器を禁止すべき5つの理由

1. 最も破壊的だから

核兵器は、これまでに作られた最も非人道的な兵器であり、兵士も民間人も区別なく標的となります。その破壊力に並ぶものはなく、放射能による長期的な影響は、未来の世代に渡って続きます。

核兵器が実際に使用されたのは、戦時下にあった広島と長崎の二度です。原爆の投下後、瞬時にして、または数週間、数カ月のうちに何十万人という命が奪われました。

これまでに、2000以上の核兵器が核兵器実験に使用され、破壊的な影響をもたらしてきました。

2. 防衛策にならないから

気候変動、テロリズム、サイバーアタックといった現代の脅威に、核兵器が防衛策となりうるのでしょうか。核兵器は今日私たちが直面する課題を解決しません。平和を維持するどころか、恐怖を煽り、国同士の不信感を作り出しています。

世界の強大な権力の均衡には、核の抑止力によるものという主張には、驚きを隠せません。どうして世界の安全保障と安定に、圧倒的な破壊力をもつ兵器が大事な役割を担えるのでしょうか。核の抑止力による安定は、核を持つものと、その傘下にある国々でしか共有されないものです。その他の国々にとって、人道的・環境的破壊をもたらす核兵器の保有は、不安定と自国の安全に対する脅威でしかありません。

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3. 核兵器は税金のとんでもないムダ使い

冷戦が集結し、1980年代半ばに核の保有数は減少を見せますが、核関連予算の支出は上昇傾向にあります。全ての核保有国で、市民のお金が投入されています。ある計算によると、2010年から2020年の10年間の関連支出は、1兆米ドルにも及びます。

世界中で何百万人もの人々が飢餓に苦しむ中、世界の不安定を引き起こす要因である核保有国は、公共の財産を無駄にしています。この支出は、健康、教育、気候変動対策、開発援助、支援を必要する人々へのサポートに充てることができます。

4. 核拡散の大きなリスク

核保有国が核兵器を増やしたり、新たな国が核武装することによって、核拡散のリスクは高まります。1970年に核兵器不拡散条約(NPT)が発効し、核を持たない国が核兵器を開発することを防ぎ、保有国がその数を減らすことを目指しました。

残念なことに、これらの取り組みのほとんどが、美辞麗句に終わっています。他の国にその開発をするなと言っておきながら自分の国では核兵器を国の安全保障の基幹とするのはおかしなことです。

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5. 唯一禁止されていない大量破壊兵器だから

これも近いうちに変えることができます!生物兵器や化学兵器が世界的に禁止された一方で、核兵器は禁止されてきませんでした。でも、昨年採択された核兵器禁止条約は、2020年までに発効することが目指されています。 9つある核兵器保有国、そして米国の核傘下にある日本は、この条約をボイコットしています。

条約に加わるよう、これまでにない数の国々、核兵器製造への投資を取りやめている金融機関、世界中の市民が声をあげています。

日本でも、「核兵器のない、安全な世界がいい!」という声を高めていきましょう。このブログをシェアすることで、あなたも一緒に盛り上げてください。

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