Masaya Noda/Greenpeace

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国際環境NGO350.org
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
認定NPO法人 気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

 

5月22日、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)が「サステナビリティへの取り組みに関する推進体制の強化について」と題するニュースリリースを発表し、石炭火力発電事業への投融資について「基準厳格化」等の改定を行いました。

 

具体的には「石炭火力発電の新規建設を資金使途とする投融資等については、国際的なガイドライン(OECD公的輸出信用ガイドラインなど)、導入国のエネルギー政策・気候変動対策、日本のエネルギー政策や法規制と整合する場合に限り対応します。その上で、原則、世界最新鋭である超々臨界圧及び、それ以上の高効率の案件に限定します。(ただし、運用開始日以前に支援意思表明済みの案件は除きます。)」と表明しています。

 

日本の3メガバンクの中では、5月15日に三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が「新設の石炭火力発電へのファイナンスは原則として実行しません」と表明したばかりであり、MUFGの方針と比較して、みずほの方針は低水準であると言わざるを得ません。また、三井住友銀行は、みずほと同水準の方針を昨年6月に表明しており、みずほの今回の方針強化のスピードは非常に遅々たるものであると言えます。

 

今年レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)他が発表した『化石燃料ファイナンス成績表』によると、みずほはパリ協定締結後の2016年から2018年までの3年間、全化石燃料セクターへの融資・引受額が世界で10番目に多い銀行で、石炭火力発電部門への融資・引受額も世界8位です。石炭火力発電の新規建設がパリ協定の目標に整合していないことは明らかであり、海外の先進的な民間金融機関の方針と比べても大きく後れを取っています。

 

みずほは新方針の中で、「脱炭素社会への移行に向けて気候変動への対応に積極的に取り組む」と表明していますが、そうであれば、新規石炭火力発電事業への融資をやめる方針を掲げるとともに、石炭火力発電や石炭採掘の依存度が高い企業への投融資(企業融資、株式・債券の引受及び保有)から撤退する方針を掲げるべきです。また、科学的知見及びパリ協定の目標に基づき、石炭のみならず、炭素排出量の多い他の化石燃料産業への投融資の抑制方針を掲げることが重要です。

 

さらに、3メガバンクは各方針のなかで、運用開始日以前に支援意思を表明した案件について支援を継続する方針を示していますが、これはパリ協定の目標との整合性に照らせば不十分です。私たちは、3メガバンクが、現在計画中もしくは建設中のベトナムやインドネシア等の海外および国内における石炭火力発電事業への支援も早急に見直すことを含め、さらなる方針の強化を求めます