グリーンピース・ジャパンは本日、『使い捨てプラスチック製品および生物由来原料に対する グリーンピースの見解』を公開しました。こちらは、グリーンピース・インターナショナルが今年1月に発表した資料の日本語版となります。

こちらからダウンロードいただけます。

使い捨て製品や容器包装の過剰消費が引き起こす問題に対処するには、多くの経済主体がいまだに推し進める今日の使い捨て文化から体系的に脱却することが求めら​れています。現在、数々の企業が使い捨てプラスチックの代替素材として、特にバイオプラスチックや紙、ボール紙に力を入れ​ています。しかし、別の素材に代替したとしても、海洋汚染から森や農地の持続可能でない使用に問題が置き換えられるなど、ある場所から別の場所にその影響が移る恐れがあ​ります。

 

グリーンピースは、新たな製品配送システムの構築や再利用可能で長持ちする製品の開発を通して、使い捨て依存型のモデルから早急に体系的脱却を果たし、原材料の需要抑制を第一とした新たなビジネスモデルに移行することが必要であると考えています。

 

主な問題点

​​・木材パルプの生産量は1961年と比べて世界全体で約3倍になり、2016年には年間1憶7200万トン​に​。紙を素材とする製品や容器包装の使用量は増加し続け(2000年比で26%増加)、森林資源には既に莫大な負荷がかかって​いる​。

 

​・石油由来プラに代わる「持続可能な代替物」として推奨されることの多いバイオプラスチックは、石油由来の素材と同様に汚染を引き起こす可能性がある。生分解性とされていても、バイオプラ製品を完全に生分解するには、実際には、分解に必要な微生物の繁殖を促す熱や湿度が管理された状況が必要なため​。

 

・新たな技術や原料(海藻などの藻類、メタン、有機性廃棄物など)の開発が進められるが、バイオプラの原料は今でも農作物がメイン。予測データによると、2018年には、世界のバイオプラ生産量のうち4分の3以上がアジアで生産され、それに伴い、土壌の劣化や自然生息地の減少、水質悪化、汚染の進行、土地紛争などの影響が生じる。

 

 グリーンピースの見解

使い捨てプラ関連の問題への対処を始めるにあたり、グリーンピースは、下記の事項を優先すべきと考えています。

1)リデュース:使い捨てプラ製品や容器包装の生産量を大幅に削減する

2)考えなおす:組織、地域社会、個人への商品・サービスの提供方法にさらなる大変革を起こす

3)優先事項の再検討:バイオマス原料に対する需要によって森林や農地の資源をめぐる競争が激化しないように、厳格な予防策を導入する