こんにちは、エネルギー担当の関根です。

6月26日、東電の株主総会の報告ブログ*1で、東電の最大株主である原子力損害賠償支援機構(原賠機構)つまり国が、どのような決定プロセスで議決権行使(議案への賛否)を決めたのか、情報公開請求をしたことご報告しました。その結果報告です。

 

<責任者が不明の意思決定>

少し振り返りますと、経済産業省によると、議決権の行使(=議案への賛否)を決めるのは、株をもっている原子力損害賠償支援機構だそうです。グリーンピースは、原子力損害賠償支援機構に問い合わせをし、機構のなかのどの機関(委員会や理事会など)が決定し、その責任を負うのか、尋ねましたが、「内部で適切に決めます」というばかりで、答えてもらえませんでした。

答えない理由を尋ねながら、原賠機構の担当者と話をする中で出てきたことを総合すると、どうやら

・関係理事と運営委員で協議・検討する(でも運営委員会や理事会で決めるわけではない)
・議事録は残していない

ということのようでした。議決権の決定責任が誰にあるのかを決めない(=誰も責任を取らない)という構造が見えるような返答です。

機構の職員は国民から選ばれたわけではなく、また被災した方々が参加しているわけでもないのに、東電のゆくえを左右する絶対的な数の議決権をどう行使するのか、というプロセスがブラックボックスでよいのでしょうか?

この点を明らかにしたいと考え、原賠機構に情報開示請求を送付していましたので、今回、その結果をご報告します。

 

<情報公開請求の内容と結果>

グリーンピースが原賠機構に開示を請求した内容は、

「原子力損害賠償支援機構が株式を保有する東京電力株式会社の第89回定時株主総会における議決権行使の内容および方針について検討および決定した会議の議事録(会議の名称、開催日時、会議の参加者名簿を含む)。」

 というものでした。


このグリーンピースの情報開示請求に対して、原賠機構から3枚の書類が開示されました。

それは、議決権行使書のコピー、株主総会に出席する担当者の委任状、内部の伺い書だけでした(写真)。

請求していた議決権行使の内容や方針の検討、決定にいたるプロセスも、会議の名前も、参加者も、責任者も、一切明らかにはなりませんでした。議事録も公開されませんでした。やはり議事録は残さなかったということなのでしょうか。原賠機構もまた、説明責任を果たそうとせず、また責任の所在を明確にしないしくみであるということだけは、明らかになりましたが...。

原賠機構が反対した株主議案の中には、廃炉の専門部署の設置や福島第二原発や柏崎刈羽原発の廃炉など、事故収束に東電を専念させるための重要な提案がありました。
今日、東電のおざなりな対策が問題となっている汚染水漏れを見ても、全力で事故収束に集中させなければならないことはあきらかです。こうした提案を、過半数の議決権をもって葬ってしまった原賠機構の責任は重大です。

 

<説明責任を果たしてください>

いまや国際的な問題となっている汚染水対策は、賠償とならんで東電が何よりも優先すべき課題です。国費まで投じる事態になっているのですから、当の東電が柏崎刈羽原発の再稼動を準備する余地など許されないはずです。このような東電にお金をつぎ込むばかりで責任をとらせないやり方が、現状を悪化させ、信頼を損なっています。

この一因は、国民(納税者)や被害者に対して、政府や原賠機構の意思決定のプロセスを隠し、数々の問題や矛盾に対する説明を免れてきたことです。

原賠機構も政府も、最も基本的なこととして、その権限の大きさに見合う説明責任を果たすべきです。

 

*1グリーンピース提案:東電も原発メーカーの責任追及を【6/26 東京電力 株主総会 出席報告】

 

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