こんにちは。核／エネルギー担当の鈴木かずえです。
2030年の日本のエネルギーミックス案が出ましたね。
原発 20～22%
自然エネルギー 22～24％
石炭 26％
液化天然ガス 27％
石油 3％
自然エネルギー、控えめですね～。低いですね～。
「低い目標はそれ自体が失敗である」という名言を思い出します。
それにひきかえ、原発のほうは、野心的ですね。
今、ゼロですから、どーんと増えるわけです。
でも、これはムリだと思います。
原発比率2割は政府のはかない夢
今、日本の原発は43基。
現在、そのうちの24基が原子力規制委員会の審査を受けているところですが、その24基がぜんぶ動いたとしても、2030年にまかなえると予測される電力は全体の14～16%ほど。
しかも、その中のいくつかは2030年までに寿命がくる原発です。
20%の目標を達成するためには、追加で10基を動かす必要があります。
と、なると東電の柏崎刈羽原発の7基（新潟県）も含まれてきます。
再稼働には、知事の同意が必要ですが、新潟県の泉田知事は、再稼働の前に東電福島原発事故の検証と総括が必要、と言っています。
事故の検証にはまだまだ長い時間がかかるとされており、柏崎刈羽原発の再稼働はむずかしいでしょう。
しかも、大きな世論の反対があるのはもちろんのこと、運転差し止めなどの裁判もほとんどの原発に対して起こされています。
これらのことを考えれば、実際には2030年に、原発がまかなうのは全電力の1.8%程度になる可能性があると、グリーンピースは分析しています。
（その1.8%だって、市民のがんばり次第でゼロにできる！と思います！）
結局、2030年に原発比率2割というのは、経済産業省の野望、はかない夢ではないでしょうか。
もっとできる！自然エネルギー
(写真：市民太陽光発電所を見学する人々)
野心的な原発比率に引きかえ、控えめなのが自然エネルギー比率。
全電源に占める自然エネルギーの割合が22～24%というのは、現在ドイツなどですでに達成している数字です。
しかも、まず原発ありきの現在のエネルギーミックスでは、自然エネルギーのこの低すぎる目標さえ、達成できない恐れがあります。
それは、原発への優遇策や投資が、自然エネルギー産業への必要な投資のジャマになるからです。
結論は原発ゼロ
結論：2030年における原発比率は、今日と同じ、ゼロであるべきです。
そうして、高くついている化石燃料を、どんどん低コスト化が進む自然エネルギーに変えていくことこそ、現実的で持続可能なエネルギーミックスではないでしょうか。
このエネルギーミックス案については、一般からの意見公募（パブリックコメント）が行われるかはまだわからず、関連では、二酸化炭素排出削減の目標についての意見公募が５月中に行われるようです。
でも、言いたいことはたくさんあるので、資源エネルギー庁にある「意見箱」に投稿しようと思います。
ぜひ、あなたも、ご自分の意見を、一言でも投稿しませんか？
長期エネルギー需給見通し（エネルギーミックス）に関する意見箱はこちらから
このまま原発ゼロを維持したい方、ぜひ、「とめよう再稼働」オンライン署名にご参加ください。
すでにご参加された方は、ぜひ拡散にご協力ください。
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