みなさん、こんにちは。食と農業担当の関根です。
最近、アメリカで200万人の反対の声を押し切って、遺伝子組み換え(以下GM)のサケが食用認可されるなど、GMについて不安な要素は増えるばかり。
シリーズ3回めのブログは、消費者がもっとも気になるGM作物の「安全性」です。

【Q】GM作物は食べても安全なの?
【A】「食べても安全だ」とする科学者のコンセンサスはありません
GM作物は、組み込まれた遺伝子が作物の中で予想をしなかった変化を起こすことがあります。GM作物には、アレルギーの原因として作用する可能性など、特に長期性な影響について今でも懸念が残っています。
また、世界保健機関(WHO)がGM作物とセットで使われる除草剤「ラウンドアップ」に含まれる成分グリホサートは、「人間に対しておそらく発がん性がある」物質であると発表しています。この成分が食品に残留するケースも、海外などの報道で目立ってきていますよね。
実際、日本に輸入されている農産物の残留農薬でいちばん検出されている農薬は、この除草剤グリホサートです[注]。
 

【Q】GM作物って環境に安全なの?
【A】いいえ、環境に影響があることは明らかです。
除草剤をかけても枯れない雑草、いわゆるスーパー雑草の出現が世界で増え続けています。そのため、除草剤がますます大量に使われるという悪循環が起こっているのです。
また、殺虫性をもつGM作物は、害虫以外の生物、たとえば
花粉を運んで実りをもたらす昆虫や、害虫の天敵やその他の保護すべき昆虫にも悪影響があります。
その他、野生生物にどんな悪影響を及ぼすか、誰にもわかりません。
写真は、ヨーロッパで保護の対象となっているクジャクチョウ。GM作物の放つ殺虫成分に特に影響を受けやすいことが懸念されています。
 

【Q】きちんと安全検査をしているの?
【A】実は、GM企業と利害関係のない、独立した立場の研究者による安全性の検証は、十分になされていません。
2009年にはなんと、アメリカで何十人もの科学者が「GM企業からの圧力で独立した研究ができない」と訴える手紙をアメリカ環境保護庁(EPA)に送っています。
欧州連合(EU)では、通常、農薬を使う承認を得るために2年間の安全性試験が必要ですが、GM作物の安全性試験の期間はたった3ヶ月です。
開発中には予想しなかった変化が起こりやすい作物なのに、何のしがらみもなく安全性をテストしてくれる研究者には、安全性を吟味するための時間も限られている。
この状況を元に語られる「安全」は、やはり神話に過ぎません。

>遺伝子組み換え(以下GM)の「神話」を暴くシリーズ 他のブログを読む

[注]平成19~23年度 食品中の残留農薬等検査結果 (厚生労働省 2015年12月公表)

>「遺伝子組み換え 失敗の20年」レポートダウンロードはこちらから

「ハッピーランチガイド」では、「遺伝子組み換え食品への配慮をしている」と回答された幼稚園のリストを公開中!ぜひご覧ください。

▼クリックするとガイドをご覧いただけます。

▼ハッピーランチガイドのダウンロードはこちらから

ハッピーランチガイド

グリーンピースの活動は、政府・企業ではなく個人の皆さまのご寄付によって支えられています。

あなたのご寄付で出来ること >詳しくはこちら

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。