お米の等級などを話しあう農林水産省の検討会が、いよいよ始まりました。

カメムシによる黒い点のあるお米(斑点米)の基準が厳しすぎることなど、混入農薬を無駄に使わせるような現在のお米の等級制度の見直しなどが話し合われます。10月15日に第一回が始まり、いまのところ12月まで計3回予定されています。グリーンピースは、今年8月、米の等級制度の見直しを求めて20,000筆近い署名を農林水産省に提出しました。みなさんの声が反映されていくよう、グリーンピースは、引き続き情報提供などの活動を続け、状況を見まもっていきます。

第一回の検討会では、消費者や農家から「斑点米の規格はいらない」という声があることについて、「着色粒の基準の緩和を求める現場及び消費者の声があることにも留意する必要」がある、との紹介にとどまりました。

消費者が求めるのは見た目よりおいしさや安全

一方、逆の立場の意見もあって、第一回検討会では「夏場の高温などでカメムシ被害が増えるから、基準を厳しくしてほしい」という声なども紹介されました。

これに対して、検討会を傍聴した米農家の今野茂樹さんは「このままでは、等級制度は見直されず、生産者(農家)の段階で、農薬と色彩選別機の両方で斑点米を減らす、という流れになってしまうのではないか」「根本的な解決にならないんじゃないか?」と懸念を隠せません。

しかし、グリーンピースの調査では、消費者がお米で最も重視するのは見た目ではなくて味(おいしさ)だということが明らかになりました。また、また農薬(殺虫剤)等を使ってでも斑点米を除去してほしいという人は、わずか1割未満でした。 (下のグラフ参照)

消費者がお米にもとめているのは、何といってもおいしさです(下のグラフ参照)。今のお米の等級制度は、おいしさよりも見た目を重視していて、消費者のニーズと全くずれている、という点を検討委員にも伝えていきます。

(グリーンピースの斑点米に関する消費者 アンケート結果 より

農家が無駄な農薬を使わないですむ制度にするために

無駄な農薬を使わない、安心できるお米が当たり前になるには、農家が農薬を使わない選択をできるような制度にすることが必要です。

現在のお米の等級制度は、過剰な農薬散布の原因となっています。

政府の検討会が開かれているこの時期に、お米の等級制度の見直しを求める声をもっと大きくするために、お願いがあります。

お米作りをより安全にするためにできること<1>

署名を広めてください(署名の第二次提出12月初め)

検討会が、12月までは少なくとも実施される予定なので、署名活動も引き続き実施しています。すでに署名をしてくださった方は、この画面の右にある署名をぜひお友達に紹介してください。(署名URLはこちらhttps://www.greenpeace.org/japan/act/blackrice2/

お米作りをより安全にするためにできること<2>

もっと何かできないかな!と思う方は、地方議会に国へ意見書を出してもらうよう、議会に「陳情」してみませんか?

いま、東京都小金井市や秋田県の大潟村などの市町村議会から、ネオニコの使用禁止やお米の等級の見直しを求める意見書が、国に提出されています。地方議会の意見書は、地方自治法にもとづいて地方議会から衆議院、参議院議長などへ提出されるもので、これまでに20近くの地方議会が採択しています。 それらの意見書と内容は有機農業ニュースクリップウェブサイトで詳しくまとめられています。

ネオニコの使用禁止をもとめる意見は、主に首都圏などの消費地から出されていて、一方、斑点米の基準の廃止など等級や検査制度の見直しを求める意見書は、主に米どころの秋田県の県や町村地方議会から出される傾向があります。今回の、農林水産省の第一回検討会の場でも秋田県五城目町(ごじょうめまち)議会の意見などが紹介されました。

あなたも、お住まいの自治体にも働きかけてみませんか?12月議会での審議を目指すことになります。12月議会で審議するための市民からの意見書は、11月下旬に締め切るところが多いので、ご自身の自治体の議会のホームページなどで確認してみてください。手続きの方法については電話でも教えてくれます。

文面の見本を見る:

消費者の立場から出したい人→三鷹市小金井市が実際に採択した意見書です

農家の立場から出したい人→秋田県大潟村の方々が作成したひな形です

有機農業ニュースクリップの自治体意見書のまとめ も参考になります。

Yearly Harvest at Ecological Rice Farm in Japan. © Viktor Cibulka / Greenpeace
より安全なお米まであと一歩!

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