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こんにちは。グリーンピースのエネルギーチームでインターンをしているおさないです。
2015年、日本の発電の32%をまかなっていた石炭火力発電。政府や電力会社は「日本の石炭火力はクリーン! 」と宣伝していますが、石炭火力発電所は、発電方法のなかで気候変動の要因となる二酸化炭素の排出がもっとも多い発電方法。

実は、世界全体では石炭火力発電所は減っているのですが、日本では増えているんです。

今回は、グリーンピースと、環境団体のシエラクラブ、コール・スワームが発表した最新の報告書『活況と不況2017』についてご紹介します。
世界中で、気候変動対策が急務ないま、発電所の数が増えているのか、減っているのかを知ることはとてもたいせつ。最新の報告書では、世界の石炭火力発電所の計画について、分析をしています。

この報告書によると、世界で計画されている石炭火力発電所の件数は、2016年に増加から減少に転じました。2017年1月現在、石炭火力発電所が多いと言われてきた中国・インドでも、両国であわせて68GWの発電所が建設停止となっています。また、石炭火力発電所の廃止も加速しており、主にヨーロッパとアメリカでは、過去2年間で64GW相当の発電所が閉鎖されました。


石炭火力発電は、大気汚染の原因となっています

 

世界的に石炭火力発電所の建設がストップ その理由とは

一つは、経済の理論。
中国での2015年の石炭火力発電所の平均設備利用率は50%以下。つまり、もっと使える発電所が使えていないので、電力会社にとって、採算の悪い発電方法になってしまっているのです。また、インドの動力省は、2016年6月の時点で、2019年までの電力需要をまかなえる石炭火力発電所がすでにあるとしており、新たな発電所は必要ないため、計画が延期・廃止されています。
これは「必要がないから作らない」という論理。
もう一歩進んで「必要があったとしても、採算がとれないから作らない、やらない」というビジネス界の「経済の理論」があります。
アメリカでは、311後「経済の理論」によって原発ビジネスに見切りがつけられ始めています。大きなニュースとなっている東芝の大きな損失につながっているウェスチングハウスも、アメリカの原子炉メーカーです

石炭火力発電所でも、同じようなことが起き始めています。世界76カ国の688の機関が、石炭からの投資の引き上げ(ダイベストメント)を約束しているのです。

世界中で石炭の時代を終わらせようというムーブメントが起きています。写真は、韓国で開催されたマーチの様子。

この報告書によると、気温上昇を1.5度未満に抑えることを世界各国が合意したパリ協定の目標を達成するためには、新規の石炭火力発電所の建設を止めるとともに、既設の発電所を閉鎖することが重要で、現在の閉鎖スピードを2倍にする必要があります。

 

取り残される日本

「ガラパゴス化する日本」というのは随分前から言われている表現ですが、実は石炭火力発電所の点でも、日本は世界から取り残されています。
日本において過去5年に建設された発電所は1,950MW。現在、その2倍以上の4,256MWが建設中で、さらに多くの17,243MWが建設前段階にあります。

そのため、報告書の中では、「中国とインド以上に注目すべき10カ国」にあげられています。さらに、下表にあるように、石炭火力発電所の延期がゼロとなっているほとんどの国の発電所に、日本が関わっています。日本は「安価な石炭火力」という「経済の理論」を装って、石炭火力発電所建設を官民一体となって牽引しているのです。

 

わたしたちにできること

自分が利用している電気会社が全発電量の内、どのくらい石炭を使っているかを知ることは、最初の一歩かもしれません。2015年度実績によると、一番多く石炭火力を使っているのは北陸電力の64%。あなたの電力会社はどうでしょうか?

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もうひとつ、わたしたちにできること

実は、日本が官民連携して推進しているのは、日本国内の石炭火力発電所だけではありません。現地では地元の方が抗議の声をあげ続けてるにも関わらず、昨年6月、国際協力銀行(JBIC。日本政府100%出資)は、インドネシア・中ジャワ州のバタン石炭火力発電事業に、約21億ドルもの巨額融資を決定しました。政府だけではなく、日本の大手電力のJパワー、伊藤忠商事も参画し、日本の民間銀行も融資をしています。〈注〉

バタン石炭火力発電所の建設反対の抗議活動。

農業や漁業を生業としてきたインドネシアの人々から、土地や自然の恵み、そしてそれまでの暮らしを奪う石炭火力発電の計画。日本にいてもできることは、まずは知ること、そして情報をお友達にシェアすること。ぜひこちらの情報をご覧ください。

 


 報告書『「活況と不況2017 世界の石炭火力発電所計画の追跡(原題:Boom and Bust 2017:Tracking The Global Coal Plant Pipeline)』へは、こちらからアクセス

〈注〉http://toyokeizai.net/articles/-/112030  


 

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