プラスチック汚染は世界的な脅威です。
世界中の人々が声をあげたことで、この汚染に対して責任を取らなければならないと気づき始めたブランドや小売業者が出てきました。「100%リサイクル可能なパッケージ」「バイオプラスチックで作られている」「持続可能な紙パッケージ」などといった新しい製品パッケージに関する企業発表を耳にする機会も増えてきました。

果たして、これらはプラスチック汚染危機に対する真の解決策なのでしょうか?
企業が宣伝している最も一般的な 「解決策」をいくつか見ていきましょう。

「紙製」

紙は環境的に持続可能な材料とみなされていて、一見有効な解決策のように思われますよね。プラスチックと違って、最終的には自然の中で分解もしますし、企業にとっても比較的簡単に移行ができます。しかし、プラスチックから紙への移行は世界の森に甚大なダメージを与えてしまいます。

森林は、二酸化炭素を取り込み、貯えてくれています。それだけではなく、さらに先住民族コミュニティの生活や固有な生物多様性を維持してくれています。つまり、地球環境の健康を保つために、大変重要な役割を果たし、多くの生態学的働きを支えてくれているのです。しかし、この限りある森林資源はもうすでに広い地域で、保護、修復が必要とされていて、到底、私たちの使い捨てパッケージ依存に耐えられる状態ではないです。

「バイオプラスチック」

これは、植物など生物由来のプラスチックを指す用語ですが、実はこれらの中には生分解性またはコンポスト化可能なものでも、化石燃料由来のプラスチックが含まれることもあります。さらに、バイオプラスチックの原料となる農作物は食用作物と競合し、私たちの食の安全を脅かし、土地利用の変化と農業の炭素排出を促進させてしまいます。
また、分解に関しても誤解があり、生分解性プラスチックは、非常に高い温度と湿度の条件のもとでしか分解されないものがほとんどです。この条件は、自然環境ではめったに満たされることはありません。さらには、通常のプラスチックと同じように小さな破片となり、動物の食物網に入ることさえあり得ます。

「リサイクル可能プラスチック」

消費者に環境に優しいという印象を与えるために販売されていますが、実際には残念ながら、これまで世界中で生産されたプラスチックのなんと、90%以上がリサイクルされていません。リサイクルシステムは日々増え続ける廃プラスチックに対応できず、すでにリサイクル施設から溢れており、リサイクルされるよりも、埋め立てや焼却、さらには自然界に放置されてしまっているのが現状です。
「リサイクル可能」と「リサイクルされる」は大変大きな違いです。

企業はまやかしの解決策に注力し、実際に使い捨て社会を変える取り組みはできていません。単純にプラスチックから別の素材へと移行しているだけで、大量に使って、捨てるというビジネスモデルの根本は世界中で依然として変わらないままなのです。企業はまだまだ、地球が消化できないほど大量の廃棄物を生み出し続けています。

プラスチック汚染の真の解決策とは?

それは、削減を最優先し、リユース(再利用)やリフィル(詰め替え)のシステムを導入することです。企業はそのための投資はもちろん、削減の明確な目標、どのように達成するかを早急に考える必要があります。すでに、世界中の人々はプラスチック汚染を止めるために行動を起こしていて、企業にもリユース・リフィルシステムの導入を求めています。今こそ、企業が本当の解決策『リユース』に従って、歩みを進め、供給していく時です。

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