衆議院議員選挙が近づき、各党の公約が出揃いました。

国際環境NGO グリーンピースは、NGOの仲間といっしょに、各党の公約の「気候変動・エネルギー」部分を調べました。その結果をお伝えします。

グリーンピースも参加する「eシフト」、「あと4年、未来を守れるのは今」で10月31日に投開票を迎える衆議院議員選挙に向けて、主要8政党の公約を比較しました。

評価基準は以下を設定しました。

「あと4年キャンペーン」による評価基準

*以下の分析は、グリーンピースとして特定の政党の支持を表明するものではありません。

「あと4年キャンペーン」による評価

気候変動政策:どの党ももっと高い目標が必要。

まず気候変動政策ですが、2030年の二酸化炭素削減目標を基準に比較しました。破局的な気候危機を回避するには、地球の平均温度の上昇を産業革命以前より1.5度に抑える必要があります。

そのためには、地球平均で2030年までに二酸化炭素排出を半減(2013年比)させる必要があります。これは「地球平均」なので、これまでも、現在も大量の二酸化炭素を排出し、また削減できる技術や経済力のある経済先進国は、より大幅な削減をする必要があります。

排出する二酸化炭素と地球の温度上昇には相関関係があり、温度上昇を1.5度に抑えるために出せる二酸化炭素の量(炭素予算:カーボンバジェット)は決まっています。

気候変動政府間パネル(IPCC)は、66%以上の確率で1.5度未満に抑える炭素予算を約400ギガトンとしています。東北大学東北アジア研究センターの明日香壽川教授は、これを人口割して、日本の炭素予算を約6.7ギガトンとしました。

この炭素予算から考えると、自由民主党の2013年比で「46%削減、さらに50%の高みを目指す」目標では全く足りず、立憲民主党の55%削減でも不十分です。

このため、2030年に60%削減(2013年比)を掲げる社会民主党のみが◎という結果になりました。

しかし、60%でも十分とは言えず、上方修正していく必要があります。

原子力政策:再稼働はせず、一刻も早く廃炉に。

グリーンピースのブログ「原発が温暖化対策にならない5つの理由」でも述べているように、事故のリスクがあり、事故や不正で止まりがちで、新規建設に時間のかかる原発は地球温暖化の解決策になりません。

しかし、多くの党が再稼働について条件をつけながら容認方向を示しています。

例外なく再稼働をしないとしているのは、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党でした。

日本は、自然エネルギーへの投資機会を見逃し続けるのか?

石炭火力発電:例外なく2030年までに廃止に。

二酸化炭素を大量に排出する石炭火力発電は早期に止めていく必要があり、国連事務総長も先進国に対し2030年までに段階的廃止を求めています。

これに対し、日本政府は水素・アンモニア発電や排出される二酸化炭素の貯蔵・再利用を前提として石炭火力発電を使い続けることにしています。二酸化炭素を排出しない代替に変えていかなければ気候危機は回避できません。

しかし、石炭火力発電を例外なく2030年で廃止としているのは、日本共産党、れいわ新選組、社民党だけでした。

再生可能エネルギー:電力だけでなく、全分野再生可能エネルギー100%の未来を。

化石燃料を燃やせば二酸化炭素が排出されることから、将来的には全分野のエネルギーを再生可能エネルギーに代替していくことが求められています。

まだまだ余地のある省エネルギーを徹底して減らしたエネルギー需要を、再生可能エネルギーで賄うことは可能です(自然エネルギー財団 「脱炭素の日本への自然エネルギー100%戦略(改訂版)ほか)。

しかし、電力部門に限らず、再生可能エネルギー100%を掲げているのはれいわ新選組だけでした。立憲民主党、共産党、社会民主党は電力部門での再生可能エネルギー100%を掲げています。

気候危機を共有し、いっしょに乗り越えていく仲間を国会に送ろう

ここまで、政党の公約を比較してきましたが、小選挙区制度で最終的に選ぶのは「人」、個人です。

ぜひ、候補者個人を対象にした「ゼロエミッションを実現する会」の「気候変動に関するアンケート」結果を参考にしてください。

もし、そこに回答がなかったら…. ぜひ、電話や直接対話で聞いてみてください。

そして、気候危機について思いを共有し、いっしょに乗り越えていける仲間を国会に送りましょう。

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