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みなさんは、ウナギと聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

蒲焼美味しい、高級でハレの日の食べ物、夏バテ解消、にゅるにゅるしてる......。

いろんなイメージがあるウナギですが、日本で売られている魚の中でも、「違法または無報告」という手段で生産されたリスクが高いと、知っていましたか?

商品になって店頭に魚が並ぶまで、どこで、誰が、どのように生産したのか、それらの情報を確認できるかどうかをトレーサビリティといいますが、これが一番難しい代表格の魚がウナギなのです。

ウナギ グリーンピース IUU漁業
ウナギの蒲焼

シーフードが生産・加工される過程で、「違法(illegal)」だったり、とった魚の種類や量を報告すべきなのにしない「無報告(unreported)」、適切に規制されていない「無規制(unregulated)」な漁業は、英語の頭文字をとって「IUU漁業」と総称されます。

日本からこの「IUU漁業」を減らしていくため、グリーンピース・ジャパンを含め、8つの環境保護NGOや企業が一緒になり、9月29日に「IUU漁業対策フォーラム」を発足しました[1]。

 ウナギ グリーンピース IUU漁業
「IUU漁業フォーラム」発足時の共同記者会見の様子

日本で出回る輸入シーフードの約3割が、違法または無報告という緊急事態!!

今年、カナダ・ブリティッシュコロンビア大などの研究チームがまとめた研究によると、なんと、2015年に日本へ輸入された天然のシーフードのうち、24%〜36%相当が「違法」または「無報告」漁業に関連すると推計され、金額にすると、およそ1800〜2400億円にもなるということがわかりました。[2] 

輸入されたIUUシーフードのうち最も量が多かったのは、中国からのイカ・コウイカ、続いて米国からのスケトウダラでした。

そして、最も違法・無報告の確率が高いのは、中国から輸入されるウナギで、その45〜75%と推計されています。最大75%とすると、4匹に3匹が違法・無報告。この数字が、ウナギが一番「IUU漁業」リスクが高いといわれるゆえんなのです。

ウナギ グリーンピース IUU漁業
ウナギのなかでも、ニホンウナギです

どうして、IUU漁業がいけないの?

なぜグリーンピースをはじめとする環境団体が、このIUU漁業に(悪い意味で)注目するかというと、それは海の生態系の健康状態を本気で心配しているからです。

巷でも、今年はサンマがとれず、地元で代々つづいてきたサンマの豊漁を祝う祭りができない...ホッケ・アジ・サバなど、魚がとれなくなってきているという悲しいニュースを耳にしますね。魚がとれなくなってきているという話は、もう珍しくありません。

それもそのはず、世界の海全体でもおよそ90%のシーフードが、枯渇状態・限界までとられていると国際機関が報告しています。つまり、まだ豊富にとれるシーフードは、全体の10%にも満たないのです[3]。

漁業と海を大切にしている国々や人々が協力して、魚が枯渇しないようさまざまなルールを作り、取り組みを進めています。

しかし、こうしたルールを無視する「IUU漁業」を野放しにしてしまえば、釣りたい量を制限している漁師さんや政府、「IUU漁業」に由来しないサステナブル・シーフードを推進している企業やNGOなどの努力が水の泡となってしまいます。合法的な漁業活動を行っている国内外の漁師さんを、不公平な競争にさらすことにもなります。

グリーンピースで海の生態系を守るキャンペーンの担当をしている岡田は、「合法的な漁業をしている人たちの利益を守るためには、IUU漁業を野放しにしてはいけないのです。IUU漁業をなくし、きちんと資源管理がされれば、未来の子どもたちにも色んな種類のお魚を味わってもらえます」と話します。

海洋生態系担当 グリーンピース
サステナブル・シーフードのイベントで話す岡田。

日本に輸入されるシーフードの約3割が「IUU漁業」リスクがあるという可能性がわかったいま、IUU漁業から海をまもっていくために、私たちには何ができるのでしょうか。 

100年先も、海の幸を守っていくためには

「IUU漁業対策フォーラム」は日本政府をはじめとして、漁業関係者や企業に対し、「IUU漁業」の流通を防止するための、共同提案を行いました[5]。

まず政府が、「IUU漁業」の疑いがあるシーフードの流通の現状を調査し把握すること。リスクが高い魚種のトレーサビリティを強化し、その流通を取り締まること。

シーフードと私たち消費者をつなぐお店が、疑いのある魚は取り扱わないよう方針をたて、漁業者と相互にチェックし、消費者にそうした情報を積極的にオープンしていくこと。

そして私たち消費者が、普段のお買い物やお食事で、美味しさや値段をチェックするのに加え、どのようにとられたシーフードなのかをお店の人に聞いてみたり、トレーサビリティに目を光らせること。

政府や企業の努力だけでなく、社会全体で透明性のあるサステナブルなシーフードを選んで、海の環境を守っていく、そんな文化を育んでいくことが大切だと思います。

100年先も、美味しい海の幸をいただくために、いま私たちにできることは何なのか。周りの人と気軽に話し合ったりすることから、はじめていきたいですね。

ウナギ グリーンピース IUU漁業
天然の魚をつかった保育園の給食 

[1]IUU漁業対策プロジェクト ウェブサイト 

[2]研究論文の要約「日本への違法・無報告水産物の輸入量推計」

[3]FAO. 2016. The State of World Fisheries and Aquaculture.  

[4]お魚スーパーマーケットランキング6 

[5]グリーンピース・プレスリリース 

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