国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故から10年となった2021年3月、特設ウェブサイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』を発表しました。これは、被災者12人の10年間の歩みと思いを綴った東電福島第一原発事故の記録です。

証言集では、被災者12人が事故を経た福島での暮らしについてインタビューしているほか、原発事故を踏まえた反省や未来への思いを6名の専門家の方に伺いました。また、グリーンピースが2011年からの活動を通して撮影してきた写真に加え、各地の写真家の協力で撮り下ろした写真、提供いただいた写真が、福島での暮らしと人々の心情を映し出しています。

新型コロナウイルス感染症の対策として、インタビューはオンラインまたは電話で行い、新たに撮影した写真は、インタビュー対象者と同じ府県内に滞在する写真家が、飛沫防止や消毒、適切なフィジカルディスタンスをとるなど、感染予防に極力配慮した上で撮影しました。

特設ウェブサイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』

< 目次 >

Lives of Fukushima  福島の記録

  • 福島県浪江町 菅野みずえさん 「原発がある限り、私の身に起こったことは、いつかあなたのことになる」
  • 福島県大熊町 木村 紀夫さん 「家族の捜索を中断しなければならない状況をつくったのは、原発事故です」
  • 福島県田村市 大河原 多津子さん 「見えるよう、聞こえるようにしないと、なかったことになってしまう」
  • 福島県須賀川市 鈴木 真理さん「福島の問題を、お涙頂戴ではない形で、しっかりと語れるように」
  • 福島県郡山市 森松 明希子さん「誰でもそれぞれの立場で痛みを訴えていい」
  • 福島県新地町 小野 春雄さん「100歳まで漁師を続ける。福島の漁業が元に戻るのを見届けなければ」
  • 福島県いわき市 鈴木 薫さん「この食べ物は安全か?子どもを守るために、自分たちで測るしかなかった」
  • 福島県三春町  武藤 類子さん「裁判は、誰かの断罪が本当の目的ではなく、進むべき道を探るもの」
  • 元除染・原発作業員 池田 実さん「廃炉作業は今後何十年も続き、そこで働く作業員は必ず必要」
  • 福島県飯舘村 佐藤 健太さん「『戻れない』で終わらせていいのか。ここから、どう村づくりをしていくのか」
  • 放射線防護アドバイザー 鈴木 まいさん「値を出せば除染だけでは『なんとかならない』と突きつけることができる」
  • 福島県飯舘村 安斎 徹さん「本当にあの事故から 10年も経ったんだろうか。そんな実感はまったくない」

Lessons from Fukushima  福島へ向けて

  • 元原子力プラント設計技術者 後藤 政志さん「根底に人権への意識を置いていない技術というのは、ダメな技術」
  • 放射線専門家 リアナ・トゥールさん「福島の人々は強い。でもそれに任せず、私たちにもできることはある」
  • 弁護士 海渡 雄一さん「原発をとめる判決に至らなくても、すべての裁判に価値がある」
  • 環境活動家 アイリーン・美緒子・スミスさん「社会の意思決定の仕組みが変わっていけば、原発はなくなる」
  • 国連人権理事会 特別報告者「すべての人が持つべき人権が、全員にもれなく与えられていない」
  • 元内閣総理大臣 菅 直人さん「原発の重大事故は起きない。その前提に立って日本の社会はできていた」
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